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「17時までビール190円」…目立たせるのはどこか?
■「まずやってみること」が大事
デザインやコピーは、さまざまな改善がされています。居酒屋を例にすると、店前のA型看板に書いている「17時までビール190円」というコピーの色や大きさを細かく変えることができます。
「17時まで」を目立たせる場合と「ビール190円」を目立たせる場合でも効果が異なることがあります。コピーについては「17時までビール190円」を「本日のおすすめメニュー」に変更して、集客数や客単価の変化を検証してみることができます。
店内の看板の変更についても同様に、新たなPOPを作って置き換えてみたり、メニュー板のコピーやデザインを変えてみることができます。
デザインやコピーは個人の好みが反映されやすいため、変更案について店内スタッフや社内の担当者内で意見が分かれることもあるかもしれません。自分のなかでどんなふうに変更すればよいか迷うこともあります。
そのような場合は、「どちらが良いだろうか」と迷ったり議論したりするより、試してみて効果を見るほうが早道です。改善効果を測定する評価基準のKPI(Key Performance Indicator…重要評価指標のこと)さえきちんと取っていれば、どの変更が効果的か数値で確認することができます。
変更したら、その効果が現れるまで一定期間はそのままにしておく必要がありますが、試したい案は次々に試します。この取り組みを細かく積み重ねることが看板改善のPDCAであり、試行回数が増えるほど集客や認知度向上といった効果も出やすくなります。
■「何を伝えるか」がブレないように
注意デザインとコピーは、店や会社の雰囲気とイメージに影響します。また、看板は店や会社がお客さんに「安い」「高品質」「おいしい」「安心できる」といったメッセージを伝えるという意味では、コミュニケーションの手段ともいえます。
そのため、デザインやコピーを変えることにより、イメージやメッセージが伝わりにくくなることもあります。
あるマッサージ店の例で、価格を目立たせて安さを全面的にアピールしていた看板を、おしゃれなデザインの看板に変えたケースがありました。