(※写真はイメージです/PIXTA)

マンションの「敷地権」で悩んでいる方、もしくは「住んでいるけどあまり詳しく知らない…」という方は多いのではないでしょうか。この記事ではマンションの敷地権とは何か、7年間で約500件の不動産取引の経験を持つグランドネクスト株式会社代表・小島優一氏がわかりやすく解説します。

「敷地権」あるのが普通?ないとどんな不便がある?

敷地権の有無は登記簿で確認できる

 

敷地権が制定された1983年(昭和58年)以降に建てられたマンションなどの区分所有建物には、原則として敷地権が設定されています。

 

敷地権は所有権や抵当権と同じように登記される権利のため、登記簿で設定の有無を確認することが可能です。古いマンションであっても敷地権が設定されていることもあるため、敷地権の有無は登記されている情報で確認すると良いでしょう。

 

敷地権のないマンションとは?

 

Aさんのように、購入を検討しているマンションに敷地権が設定されていない場合、購入しても良いかどうか迷う方も多いことでしょう。

 

ここでは、古いマンションで敷地権がない場合について説明します。

 

古いマンションには敷地権がないことも

 

敷地権は、1983年(昭和58年)の区分所有法の改正によって新しく制定されました。そのため、それ以前に建てられたマンションの場合、敷地権がない場合もあります。

 

しかし、それはマンション自体に問題があったり敷地の権利がなかったりするわけではなく、単に建てられた際に敷地権を設定しなければならない法律がなかっただけのことです。

 

そのため、古いマンションの場合、敷地権が設定されていない場合があることを理解しておきましょう。

 

敷地権がないと敷地が使えない?

 

先に述べた通り、敷地を使う権利、すなわち敷地の共有持分の権利は敷地利用権なので、敷地権がないからと言って、マンションの敷地における権利がないわけではありません。

 

また、敷地権が設定されていなくても、現在の区分所有法では分離処分が禁止されているため、建物の区分所有権と敷地の権利とを別々に処分することはできなくなっています。

 

敷地権は新たに登記できる

 

1983年(昭和58年)の区分所有法の改正以前に建てられたマンションであっても、敷地権が設定されている場合があります。なぜなら、敷地権はマンションの区分所有者の意向により、新たに登記することができるからです。

 

敷地権を設定することで、登記上、便利になることが多いため、古いマンションであっても管理組合の決議などで敷地権が設定されることがあります。そのため、敷地権の有無はマンションの築年数ではなく、登記事項証明書で確認するようにしましょう。

 

敷地権のないマンションの問題点は?

 

 

敷地権のないマンションに、何か問題点があるかどうか、購入しても大丈夫なのかが気になる方も多いことでしょう。

 

ここでは、敷地権のないマンションの問題点について説明します。

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