どこを見られるの? 金融機関の評価ポイント
1. 経営内容の報告
① 経営計画を作成する際に金融機関のアドバイスも取り入れる。
②目標利益計画で、実績が計画を下回る場合は改善策を伝える。
③毎月の試算表の内容を金融機関に報告している。
④環境変化で経営計画を変更する場合は、事情を伝える。
⑤年度終了後に成果を報告している。
2. 職場環境の整備
①5Sのうち、整理、整頓、清掃の3Sを実行する。そののちに清潔、躾の2Sを実行する。
3. 管理体制の整備
【全体】
①経営計画の進捗管理をし、毎月試算表を分析する。
②朝会で、計数発表し計数の進捗状況を共有する。
③5S、改善活動を行う。
【会議】
①経営会議・営業会議を毎月実施し、成果・課題を検討する。
【製品】
①製品の開発、企画を検討し、また、個別採算管理を行う。
【設備】
①直接に製品に関係ないところに投資しない。
【社員】
①社員教育制度をもち、社員の育成をする。
②モチベーションを高め、社員の定着率を上げる。
【経理】
①毎月資金繰り表で資金管理している。
4. 経営者の行動
①企業規模を超える投資をしていない。
②公私混同せず、接待交際費を最小限としている。
③社外集会で情報収集している。
④経営理念にもとづいた行動を取っている。
5. 経営姿勢
①経営者間でもめごとがない。
②社員の退職、入社が頻繁でない。
③社内のコミュニケーションがよい。
④仕入先、販売先との関係がよく、製品にブランド力がある。
⑤給与、税金等に遅配がない。
6. 金融機関との取引
①正しい決算書を作成し、正しい会社の報告をしている。
金融機関の評価項目を把握して金融機関を経営計画の応援者にしていく。
具体的行動
金融機関の評価している項目をしっかり実施することにより、金融機関の支援を得よう。
経営計画は「A4」におさめる。何を書けばいいか
●経営計画の様式
経営計画は、様式が決まっているわけではありません。そのため、いろいろな形の経営計画書が作られており、中には数十枚にものぼるものも見受けられます。
大企業の場合は、経営計画作成の事務局などを設け、専任の担当者が経営計画を取りまとめていますので、ボリュームのある詳細な経営計画書を作成することができます。
しかし中小企業では、経営計画を作成する専任のスタッフがいない場合がほとんどです。これでは、日常の仕事に追われてなかなか時間を取れず、何十枚もの詳細な経営計画書を作ろうと思っても、途中で挫折してしまいます。
そこで筆者が考案したのが、簡単に作成できる「A4用紙一枚の経営計画書」です。
一枚の紙に、経営計画に必須の11の項目が入っており、この項目のフレームを埋めると、経営計画が完成します。作成のための労力が少なくてすむのが、大きなメリットです。
また、何十枚もの経営計画書は読むだけでも時間がかかりますが、A4用紙一枚なら、一目で経営計画全体を俯瞰できます。そして、この一枚を見るだけで、会社がどの方向に向かっているのかがはっきりとわかるのも、この経営計画書の魅力だといえるでしょう。
この経営計画書は、会社の基幹表として位置づけることができます。会社の規模や事業内容によっては、主要施策をもとにした1年目の行動計画管理表を別途作成しましょう。
簡単にできる経営計画だと社員は取り組みやすくなる。
具体的行動
A4用紙一枚の経営計画に取り組むようにしよう。
宮内 健次
中小企業診断士 社会保険労務士