(※写真はイメージです/PIXTA)

「売上が上がらない」「社長の意図とは違うことを社員がやっている」…中小企業は日々、さまざまな経営課題を抱えています。経営計画は単に数値目標中心ではなく目標達成のための施策や施策実現のための行動計画を作成していくこと必要です。※本連載は、宮内健次氏の著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋、再編集したものです。

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社員の働きは「経営計画」に左右される!

●柱を立てる

 

望ましい経営計画は、まず、会社の経営理念、つまり社員の行動が一体になるような柱を立て、次に会社がどこに向かうかという経営ビジョンを示して会社の大きな土台を作ります。それから、経営ビジョン達成のための数値計画を立て、それを達成するための施策を練ります。そして、施策実現のための行動計画を作成して推進していきます。

 

このように、単に数値目標中心ではなく目標達成のための施策や施策実現のための行動計画を作成していくことが、これからの経営計画の中心となります。

 

●経営計画の内容

 

経営計画は、最低限、意義、経営理念、経営ビジョン、外部環境、内部環境、経営目標、経営方針、目標利益計画、月別目標利益計画、主要施策、行動計画を網羅し、構成されているものが望ましいです。

 

●メリット

 

①社員全員で「経営ビジョン達成」という目標に向かえる

全社員が経営理念のもと、経営ビジョンの達成に向かって一丸となって進んでいきます。

 

②行動計画で経営計画を推進する

経営計画は、主要施策をもとに作成した行動計画に沿って実行します。これにより経営ビジョンの達成につながります。

 

●作成上の課題

 

経営理念や経営ビジョンなどの内容を検討して、会社としてまとめるには相当の時間がかかります。特に、経営理念は、経営活動をしていくうえでの経営指針となるものです。会社に経営理念がない場合には、よく議論して作成する必要があります。

 

●課題を乗り越えると力がつく

 

経営理念や経営ビジョンの作成には時間がかかりますが、その作成過程に社員が参加することで、自分たちのものとして受け入れることができるようになります。それに、社員がまとまり、めざす方向に力を結集して、会社の力に変えることができます。

 

ワンポイント
経営計画の内容がわかりやすいと社員も経営計画を進めやすくなる。

具体的行動
経営計画は11の項目で進めていこう。

 

経営計画づくりに社員が参加すれば士気を高める

作成の全体的な流れ

 

①経営計画委員会を立ち上げる

 

メンバーには、社長、役員のほか、各部門から部門長、または部門長に準じた社員を任命します。さらに、総務部門あるいは企画部門から事務局メンバーを任命します。

 

②毎月のミーティング

 

委員会メンバーで、毎月ミーティングを開き、経営計画を作成していきます。ミーティングの際は事務局メンバーが、資料の取りまとめ、議事録の作成、経営計画の進行状況の確認を行います。

 

③経営計画のフロー(図表1参照)

 

▲経営計画のフロー。この順序で考え、議論する。
[図表1]経営計画のフロー ▲経営計画のフロー。この順序で考え、議論する。

 

④経営計画は、3年ほどの期間のものにする

 

さまざまな環境の変化が激しい昨今では、3年を超える長期の計画を立てると、やがて計画が現実から乖離して、使いものにならなくなってしまう可能性が出てきます。

 

A4用紙一枚の経営計画は、3年の期間ですが、毎年見直し、作成します。特に外部環境や内部環境が変わっていないか、しっかりと検討し、大きな変化があった場合は、設定していた目標利益計画や主要施策の見直しなどを行うのです。

 

ワンポイント
社員参加型は、社員のやる気につながる。

具体的行動
経営計画は、委員会形式で進めていこう。

次ページ何のために経営計画を全社員で作るのか
A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

A4一枚で作る PDCAを回せる 経営計画100の法則

宮内 健次

日本能率協会マネジメントセンター

「経営計画」は「A4用紙一枚」から。 この1冊で「A4一枚×経営計画」の基本がわかる。 1万件以上の経営指導をした元銀行マンが教える、最もシンプルな経営計画の実践メソッド。 経営計画をつくり、きちんと儲かる会社に…

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