(※画像はイメージです/PIXTA)

現代は多くの問題が複雑にからみあっていて、まさにカオスです。我々はどう生きたらいいのか? この根源的な問いを人間はずっと問い続けてきました。本質的なことを深く、学ばなくして年老いていくのはもったいないというが…。※本連載は松尾一也著『40代から深く生きる人、浅く生きる人』(海竜社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

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ゲームや連続ドラマよりもハマることがある

▼浅く生きる人=真理に触れずに歳を重ねてしまう

 

現代は多くの問題が複雑にからみあってまさにカオスです。

 

世界の人口増問題。環境破壊、食糧問題、テロ、パンデミック……。

 

もう小さな観点からだけだと理解不能です。 こんなときこそ「この世の中をまるごと学んでみたい」と思いませんか? もともと、人類はよりよく生きたいと渇望して哲学と宗教が生まれてきました。

 

一概に語れるものではありませんが私は「枢軸時代」というものを知るだけで40代の知識、見識、胆識は深くなると思います。 枢軸時代とは、1949年にドイツの哲学者であり精神科医であるカール・ヤスパースが唱えた時代認識です。

 

紀元前500年頃に世界史的、文明史的に一大エポックが起こったのです。

 

まさに現代の根幹をなす思想の枢軸という意味です。

 

中国で孔子、インドでブッダ、ギリシャでソクラテスなどがほぼ同時期に生き、それぞれが人の生き方を煩悶(はんもん)しながら考え尽くして、それが今なお我々のなかに生きいているということはスゴイことです!(正確にはゾロアスター教、中国の諸子百家、ユダヤ教なども含まれています)

 

世界はどうしてできたのか?

 

我々はどう生きたらいいのか?

 

この根源的な問いを人間はずっと問い続けているのです。

 

せっかくの人生、本質的なことを深く、学ばなくして年老いていくのはもったいない話です。またその価値がわかりだすのも40代からなのです。

 

この学問はゲームや連続ドラマよりも深くハマりますし、人間として一皮むけること請け合いです。

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▼浅く生きる人=集中力に欠けた日々を送る

 

イマヌエル・カント(1724~1804年)はプロイセン王国(現在のドイツ)のケーニヒスベルクという街に生まれ、ケーニヒスベルク大学で批判哲学などを提唱した近代哲学の祖です。「カント以前の哲学はすべてカントに流れ込み、カント以降の哲学はカントから流れ出る」と言われるほどです。

 

彼の生き方は、早朝の起床、哲学の研究、大学の出勤、午後のお決まりコースの散歩、そして夕食と毎日判で押したような几帳面なスケジュールでした。

 

そして生涯、その街からほとんど出なかったということです。ある意味、面積的には狭いエリアだけで79年の生涯を終えたのですが、カントが追求した哲学はその後の西洋文明に大きな影響を与えました。

 

ケーニヒスベルクの街から世界中に拡がったのです。

 

まさに狭い街だけど、深く生きると広い世界になるという典型ですね。

 

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40代から深く生きる人、浅く生きるひと

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松尾 一也

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