「無職の子の迷惑行為」でマンション住民が睡眠障害に…「親は管理費滞納」の限界【弁護士が解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

騒音等の迷惑行為を続けるマンション住人に対しては、その行為の内容によってさまざまな法的措置をとり得ます。「建物の区分所有等に関する法律」の条文ごとに、対応策を検討してみましょう。香川総合法律事務所・代表弁護士の香川希理氏が解説します。 ※本連載は、書籍『マンション管理の法律実務』(学陽書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

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マンション内の迷惑行為で「他の入居者を睡眠障害に」

ある区分所有者Aが、無職の子Bに対して当該専有部分を使用貸借しています。

 

Bは、再三やめるようにお願いしているにもかかわらず、数年前から昼夜を問わず室内の壁を物で叩き、他の居住者の悪口を大声で叫ぶなどさまざまな迷惑行為を続けており、居住者の中には騒音等により睡眠障害になったものもいます。

 

Aは、区分所有開始時からマンションに寄り付かず、Bに対する監督を求めても無反応で、ここ数年は管理費も滞納しています。Bの行為をやめさせることや、Bに出て行ってもらうことはできるでしょうか。

 

※ 使用貸借…無償で貸し借りをすること。

 

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迷惑行為に対しては、区分所有関係に固有のものとして①区分所有法57条ないし60条に基づく行為の停止等請求、②管理規約中の禁止規約に基づく差止請求があります。

 

また、一般的なものとして③人格権、区分所有権・共用部分の共有持分権等に基づく差止請求の対処が考えられます。またこれらにあわせて、④不法行為に基づく損害賠償請求をすることにより間接的な抑止を図ることも可能です。

 

このうち、裁判上の認容可能性や実効性の点で、一般的な人格権等に基づく請求は認容可能性に乏しく迂遠であるため、区分所有法58条、59条、60条等に基づく訴訟提起のための特別多数決議(区分所有者の数および議決権の各4分の3以上)が得られない場合に利用するのが主となるでしょう。

 

以下では、区分所有関係固有の請求について詳述します。

香川総合法律事務所 代表弁護士 マンション管理士

2010年弁護士登録。2013年香川総合法律事務所設立。明治大学法学部卒業、立教大学大学院法務研究科修了。
マンション管理士・管理業務主任者資格保有。
東京弁護士会マンション管理法律研究部、東京弁護士会業務改革委員会に所属。

大手マンション管理会社の顧問弁護士を多数務めるなど、マンション管理関係の事件対応に特に強みを持ち、月間100件以上のマンション管理案件の相談を受けている。

著者紹介

連載迷惑行為事例をもとに解説「マンション管理の法律実務」

※区分所有法、法…建物の区分所有等に関する法律 民…民法の一部を改正する法律施行後の民放 民訴…民事訴訟法 民執…民事執行法 高判…高等裁判所判決(決定) 地判…地方裁判所判決(決定) 民集…最高裁判所民事判例集・大審院民事判例集 下民集…下級裁判所民事判例集 判タ…判例タイムズ 判秘…判例秘書

トラブル事例でわかる マンション管理の法律実務

トラブル事例でわかる マンション管理の法律実務

香川 希理

学陽書房

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