見つかったのは8,000万円の「タンス預金」
サラリ-マンのAさんは43歳です。このたび、祖父が98歳で大往生を迎えたことで、古くなった実家を新築に建て替えることになりました。Aさんの両親は70代と高齢であるため、諸々の手続きはすべてAさんが引き受けていたそうです。
取り壊しの最中、作業員が大声をあげてAさんを呼びます。なにごとかとAさんが作業員のもとへ駆けつけると。そこにはまさかの光景が……。
作業員「あの、Aさん。これ……」
Aさん「えっ! ちょ、ちょっと待ってください。おーい! みんなちょっと来てくれ!」
なんと、作業員が仏間の床から発見したのは、大量の現金でした。あとから数えるとその額はおよそ8,000万円。家族はあまりの出来事に騒然となりました。
Aさん「なんでこんな大金が……。父さんも母さんも知らなかったの?」
A父「当たり前だろう。知っていたら家を壊す前に取り出しているに決まっている」
B母「でも確かにお義父さん、よく仏間に籠っていましたよね……倹約家にみえたのに貯金も少なかったし、なににお金を使っているんだろうと思っていたけれど、まさかこうやって貯めていたなんて」
Aさんの実家は古くからその地域で一番の商店であったことにより、お金はそれなりに稼いでいたはずでした。またなにより、祖父はよくいえば倹約家でしたし、悪くいえば“ケチ”で、孫であるAさんもお小遣いをねだっては「そんな金はない!」と怒られていた記憶があったそうです。
家族会議の末、両親はきちんと相続財産として申告しようと提案したものの、Aさんの「俺らでさえ知らなかったんだから、誰にもバレるわけないだろ。国に奪われるなんてケチなじいちゃんも怒るはず」という強い主張により、この場で山分けをすることにしました。
70代のAさんの両親が半分の4,000万円。長男のAさんが2,000万円、妹のBさんが2,000万円をそれぞれ受け取ったといいます。