(※写真はイメージです/PIXTA)

平穏だった、サラリーマンの夫と専業主婦、子ども2人の生活が、夫の突然死によって激変。団信で住宅ローンは完済、退職金と保険金で1億円近い現金を手にしますが、子どもが小さくフルタイム勤務ができない妻は、資産の目減りが気がかりです。資産を減らすことなく、相続対策も実現する方法はあるのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

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    40代の夫が急死…専業主婦の妻、絶体絶命のピンチに!?

    今回の相談者は40代の専業主婦、田中さんです。一家の大黒柱として会社員をしていた夫が突然死してしまい、今後どうしたらいいのか相談に乗ってほしいとのことでした。

     

    田中さんの夫も40代で、お二人は大学の同級生だったそうです。結婚生活も、夫のサラリーマン生活も20年を過ぎ、中学生と小学生の2人の子どもにも恵まれ、平凡ながら幸せな毎日を送っていたのです。

     

     

    下の子どもが小学校の高学年になって子育てが楽になり、長らく専業主婦だった田中さん。パートでもしようかと、仕事を探し始めたときでした。

     

    いままで健康そのものだった夫が、突然仕事中に倒れ、病院に救急搬送されたのです。脳出血ということで、職場から連絡を受けた田中さんが病院に駆けつけたときには、すでに息を引き取ったあとでした。

     

    田中さんは専業主婦で、未成年の2人の子どもと夫の扶養家族となっていました。しかし、今後は田中さんが家庭を支え、子どもたちを食べさせていかなければなりません。とはいえ、大学卒業にすぐ結婚し、子どもが生まれる前に少しパートをしただけの田中さんには、取るべき道がわからないといいます。

    ローンがなくなり、高額な生命保険も下りたが…

    幸い、自宅マンションは夫が住宅ローンを組んで購入していたため、団体信用生命保険が下りて住宅ローンは完済できました。また、仕事中に亡くなったことから退職金も支払われ、さらに、会社で団体生命保険に入っていため、退職金と合計で1億円ものまとまった現金を相続することになりました。相続税の申告は必要でしたが、配偶者の特例等が活用でき、相続税の納税は不要でした。 

     

    自宅のローンがなくなったことで気持ちは楽になりましたが、夫が残してくれた財産をもとに今後の生活の基盤を固め、生きていかなくてはなりません。夫の代わりにフルタイムで仕事をしたいところですが、まだ子どもは未成年なのでむずかしく、いずれ落ち着いたら仕事を探したいと考えています。

     

    「約1億円もの現金が入ったとはいえ、これらの預金を切り崩していけば、いずれは底をついてしまうのではと、不安でたまりません。また、これから自分に万一のことがあったら、子どもたちが多額の相続税を払うことになり、心配です。自分の生活の不安も、子どもたちのための相続対策もどうにかしたいのですが、難しいでしょうか?」

     

    田中さんは黙ってうつむきました。

     

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    本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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