「仲介を通さず」不動産を売却するも、節約どころか…
不動産を売買したり賃貸したりする際は、不動産会社に仲介を依頼して取り引きすることが一般的です。しかしここ数年の間に、不動産会社の仲介を通さずに売買や賃貸をする「直接取引」のシステム利用が増えてきています。
一見、仲介手数料の節約になるためお得なように見えますが、実は仲介手数料を支払う以上のリスクを負ったりトラブルになったりすることもあるため注意しなければなりません。
東京で賃貸暮らしをしているAさん(52歳・会社員)も、不動産の個人売買で痛い目にあった一人です。相続した古い一戸建てを売却するのに数十万円の仲介手数料がかかると知り、それを節約しようと直接取引サイトで買主を見つけて売却しました。
しかし買主が入居してから次々と家に不具合が見つかったのです。契約内容の不備から、それらの修繕費をすべてAさんが負担することになり、すでに修繕費用の総額が100万円近くになってしまいました。
Aさんのような失敗例だけでなく、不動産の個人売買にはさまざまなリスクがあることを踏まえておくことが大切です。ここでは不動産取引の仕組みから、個人間売買の具体的なリスクまで詳しく説明していきます。
不動産売買、「仲介」「個人」でなにが違う?
まず、不動産の個人売買とはどのようなものなのか、仲介での売買との違いや取引きの流れについて説明します。
■仲介と個人売買との違い
不動産売買における仲介と直接取引による個人売買の違いは、ずばり不動産会社が介入しているかどうかです。
一般的な仲介による不動産売買では、売主と買主、それぞれが不動産会社に売却と購入の仲介を依頼します。売主の仲介に入った不動産会社の主な仕事は買主探しで、買主の仲介に入った不動産会社の主な仕事は物件探しです。
しかし仲介に入った不動産会社の仕事はそれだけではありません。取り引きされる物件の調査や金融機関との住宅ローンの調整、契約に必要となる書類の準備、そして売買契約を締結する際の契約書と重要事項説明書の作成など、多岐にわたる業務を行います。
しかし個人同士で直接売買をするとなると、不動産会社に依頼すればお任せできた手続きをすべて自分で行うことになります。
個人間で不動産の売買取引をしても違法ではありませんが、不動産売買に伴う都市計画法や農地法といった法令は守らないといけないため、それらについても自分で調べなければなりません。
■不動産の個人売買の流れ
売主として個人間で不動産の売買取引をする流れは、次の通りです。
1.物件の情報を個人売買の情報サイトなどに掲載して購入希望者を募集する
2.購入希望者が現れたら物件の内見や案内などの対応をする
3.価格や条件交渉が整えば契約書を作成して売買契約を結ぶ
4.買主から代金を受け取って物件の引渡し(名義変更)を行う
取引きの相手が親戚や知り合いなどの場合は、買主を探す手続きは省けます。また不動産の所有者を変更するための登記手続きは、自分で行うこともできますが報酬を支払って司法書士に依頼することも可能です。
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