タワマンの「ひび割れ」…なぜ放置されるのか?
大手ゼネコンを元請けにするメリットは、施工の品質を高める点にあります。ただし、実際に修繕工事を行うのは、タイル補修や塗装、防水のシーリングなどの専門工事会社です。大手ゼネコンが「親」に入ると「子」の何が、どうレベルアップするのでしょうか。
「大手ゼネコンは修繕でも、新築用の工事管理システムを使います。たとえば安全管理の面では高水準を求めます。現場で釘1本落としてもいけない。足場も安全基準に合う作り方をするので、事故が少ない。
それに元施工が入れば、必然的に建物を設計した大手設計事務所もデータの提供や、修繕方法の相談に応じます。専門的な知見が結集できるのです。残念ながらほとんどの改修専門の建築コンサルタントは、超高層の知識が足りない。とくに建築構造に関しては素人同然です。外壁の「ひび割れ」ひとつとっても、見通しが甘いですね」
ひび割れにも経年劣化で生じた表面的なもの、地震による割れ、震動で割れてもとに戻っているもの……とさまざまです。なかでも注意を要するのが「貫通クラック」と呼ばれるひび割れです。表面から裏側まで抜けた貫通クラックは割れ幅では判断しにくい箇所もあります。
「湾岸の超高層マンションのなかには、建築コンサルタントの判断で、0.2ミリ以下のひび割れを直していないところもあります。
小さなひび割れでも、なかまで貫通していたら台風の強い圧力を受けると雨水が浸みこむ。鉄筋は太く、なかなか錆びませんし、軀体への影響はすぐには出ないけれど、一旦、水が建物の内部を回ると、どこでどんな不具合を起こすかわかりません。200年単位で考えれば、ひび割れは徹底的に修復したほうがいい」
やや専門的になりますが、超高層のひび割れは低層、中層、高層で生じ方が異なります。概して改修の建築コンサルタントは、特定のフロアを調べて全体を推量します。1層に80箇所のひび割れがあれば、それに全階数を掛けるやり方です。これにも橋本氏は異を唱えます。
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