タワーマンションの不都合な真実…住民に求められる「覚悟」 (写真はイメージです/PIXTA)

住人が普通のマンションよりも多いタワーマンションでは、火災や地震に対する対策がより重要になります。作家の山岡淳一郎氏の『生きのびるマンション 〈二つの老い〉をこえて』(岩波新書)より、タワーマンションが抱える問題について一部抜粋・編集し、解説します。

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管理不足で建物が火だるまに…超高層火災の怖ろしさ

2017年6月14日未明、ロンドンの超高層住宅「グレンフェル・タワー」(24階建て・127戸・1974年竣工)の8階から出火し、瞬く間に建物は炎に包まれました。

 

ここは1〜4階が商業施設で5階以上が公営住宅です。火元は冷蔵庫の爆発と報告されています。冷蔵庫に使われている可燃性の冷媒が漏れ、何らかの影響で発火したと考えられます。

 

炎は、大規模修繕を終えたばかりの外装材、断熱材を激しく燃焼させて上階へ駆け上りました。外装材に可燃性の材料が使われていたために建物は火だるまとなり、70人以上が亡くなりました。

 

タワーの住民は低所得層が多く、不法入国した移民もいて被害の全容は解明されていません。住民たちは屋内階段を降りて地上に避難しましたが、逃げ遅れて両手に子どもを抱いて飛び降りる人もいました。避難経路の少なさも被害を拡大させています。

 

イギリスの公共放送BBCは、住民団体「グレンフェル行動グループ」が地下ボイラー室やエレベーター管理室などの消火器の使用期限がとうに切れていたことから火災リスクの高さを訴えていた、と報じています。

 

住民団体は、2016年11月、ブログに「破局的な出来事が起きない限り、タワーの危険な生活は終わらない」と書き込んでいます。タワーの維持管理は、地元ケンジントン・アンド・チェルシー王室特別区と入居者管理団体が担当していました。

 

ロンドン警視庁は、王室特別区と入居者管理団体に「過失致死を疑うに妥当な根拠がある」と通告し、捜査に乗り出しました。

 

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ノンフィクション作家
東京富士大学客員教授

1959年愛媛県松山市生まれ。出版関連会社、ライター集団を経てノンフィクション作家となる。
「人と時代」「21世紀の公と私」を共通テーマとして、政治、経済、建築、医療、近現代史、エネルギーなど分野を超えて旺盛に執筆。
ドキュメンタリー番組のコメンテーター、様々な団体やNPOなどに招かれての講演活動も展開。月刊誌『世界』(岩波書店)に「コロナ戦記」連載中。ネットのニュース解説メディア、デモクラシータイムス同人。

著者紹介

連載生きのびるマンション~「二つの老い」をこえて

生きのびるマンション 〈二つの老い〉をこえて

生きのびるマンション 〈二つの老い〉をこえて

山岡 淳一郎

岩波書店

建物の欠陥、修繕積立金をめぐるトラブル、維持管理ノウハウのないタワマン……。さまざまな課題がとりまくなか、住民の高齢化と建物の老朽化という「二つの老い」がマンションを直撃している。廃墟化したマンションが出現する…

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