コロナ感染拡大の影響により在宅時間が増える中、高齢者の孤立化が深刻な問題になっています。※本記事では、OAG司法書士法人代表の太田垣章子氏の書籍『不動産大異変:「在宅時代」の住まいと生き方』(ポプラ社)から一部を抜粋・編集し、事例を紹介していきます。

家賃滞納の理由は「筋の通らないことは許さない」

ある時、内田さんはきちんとコンビニで支払ったのに、コンビニ側のタイムラグで支払ったことが家賃保証会社に届かず、家賃保証会社の担当者から督促の電話がかかってきたのです。曲がったことが大嫌い、筋の通らないことは許さないという内田さん。

 

自分はきちんと支払っているにもかかわらず、督促の電話を受けたことが屈辱で激昂(げきこう)しました。家賃保証会社の担当者も、支払いが確認されていない以上、督促したことは間違っていた訳ではありません。

 

「もぉ許せねえ。俺を滞納者呼ばわりしやがって。訴訟でも何でもしやがれ。金輪際、俺は家賃を支払わねえから!」

 

 

その督促の電話以降、内田さんは公言通り家賃を払わなくなりました。後日コンビニでの支払いが確認できると、担当者は内田さんのところに謝罪の電話をしました。ところがよほど腹が立っていたのでしょう。

 

「俺は今まで人の道を外れたことはねえんだ。こんな屈辱、忘れられねえよ」

 

内田さんは、担当者の話も聞かずに電話を切ってしまいました。その後何度も担当者は電話をしましたが、内田さんは出た瞬間に怒鳴って切り、訪問しても会ってもらえず、話ができない状態でした。

 

そのまま3カ月が過ぎ、いよいよ家賃保証会社もこのままという訳にはいかなくなりました。滞納の明け渡しの訴訟手続きになりました。今までの家賃保証会社との交渉履歴を見るだけでも、どれだけ内田さんが怒ってきたかが分かります。

 

これは訴訟になっても一筋縄ではいかないな……私はそう覚悟しました。支払いを求める私からの内容証明郵便を受け取って、内田さんはすぐに私に電話をしてきました。最初から怒鳴り口調です。

 

「おまえはこれまでのいきさつを知ってるのか! おまえもあいつらの仲間か!」

 

すごい剣幕です。もちろんこちらとしては、いきさつは把握しているし、仲間であるという訳ではないということを一生懸命に説明するのですが、ずっと怒鳴られっ放しです。さすがに私も疲れてきました。

 

「あのう……。私が内田さんに何かをしましたか? 怒鳴られたら話もできないので、内田さんの希望を聞かせていただけますか?」

 

やんわりそう言うと、ほんの少し内田さんのトーンが下がったのです。

 

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