コロナ感染拡大の影響によってアルバイトの回数が減らされてしまい、家賃が払えなくなってしまった事例が相次いでいます。※本記事では、OAG司法書士法人代表の太田垣章子氏の書籍『不動産大異変:「在宅時代」の住まいと生き方』(ポプラ社)から一部を抜粋・編集し、実際のトラブル事例を紹介していきます。

「どうしても住み続けたい」…家賃滞納の高齢男性

安住治郎さんは75歳。春頃から家賃の滞納が始まりました。もともと20年以上この物件に住み、最初は奥さんとお子さんと家族3人で住んでいたのです。それがやがて離婚。ひとりになっても、住み続けていました。

 

家主の服部一誠さんが督促をしても「払います」と言うだけで、滞納分はじわりじわりと増える一方です。その額は100万円になろうとしています。

 

この部屋は家族と住んでいたので、45m2の広さがあり、家賃も10万円もします。年金生活者には、かなりの高額物件です。それでも「払う」と言われてしまうと、服部さんは「じゃ、お願いしますね」と引き下がるしかありませんでした。

 

服部さんが退去を促しても「どうしても住み続けたい」「この地から離れたくない」安住さんはそう言います。それでもこのまま家賃を払い続けられるでしょうか。不安になった服部さんは、私のところに相談に来られました。

 

70歳を超えると、高齢者ということを理由になかなか部屋を借りることができません。同時に収入をアップしていくことは、年齢的にも厳しいものがあります。このまま住み続けて良いことは何もない、私はそう判断しました。

 

服部さんからすると、滞納額を払いきってから退去して欲しいという思いがあります。しかしながら家賃滞納案件に関しては、一日も早く退去してもらい、流血(滞納)を止めることが必要なのです。そうしなければ、滞納額がどんどん増えていく可能性も十分にありえます。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

とりあえず退去してもらい、そこで滞納額を確定して、それから分割で払ってもらう、これが重要なのです。私の説得に、家主の服部さんはやっと納得してくれました。

 

まずは安住さんに内容証明郵便を送りました。これは滞納額を一定の期間内に全額支払うよう促し、そこで期限までに全額の支払いがなければ契約を解除します、というものです。契約を解除して初めて、訴訟が提起できます。

 

内容証明郵便を送った翌日、安住さんは郵便物を受け取りました。そしてすぐに電話がかかってきました。

 

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