ゴミステーションに持って行くことすら…
緊急事態宣言以降、ゴミステーションにゴミが溢れるというトラブルが続出しました。家にいることが増え、日ごろできなかった断捨離をするようになり、飲食店がテイクアウトを始め、家でご飯を食べる機会が増えて、必然的にゴミの量は多くなりました。
ただ一方で、これはまだ正常な精神状態だからゴミを出せたということ。気持ちが誤作動を起こすと、ゴミをゴミステーションに持って行くということすらできなくなります。
こうして部屋の中にゴミが溜まってしまうということが起こるのです。ちょうど夏の盛り、私は家主の中山かおりさんから電話をもらいました。
「物件の入居者からクレーム受けちゃって。ちょっと相談してもいい?」
聞いてみると、住人の方が悪臭に困っているということでした。中山さんは一瞬事故物件ということが頭によぎったそうですが、幸い、今回は違いました。
「匂いの原因の部屋に、行ったのよ。ちょうど家賃も遅れ気味だったから。そうしたら、入居者がドアを開けたら室内がゴミでひどいことになってるのよ。でも入居者はゴミの上を歩きながら、悪いと思っていないのか、妙に反応が薄いのよ。これってどうしたらいいの?」
私が賃貸のトラブルの訴訟手続きに携わるようになって20年近くたちますが、以前はゴミ屋敷の案件はそれほど多くはありませんでした。
特に増えてきた感があるのは、この5、6年でしょうか。家賃滞納をしている人の中で、部屋が汚いということはよくあるのですが、家賃を払っているけれど部屋がゴミ屋敷という案件も、年間10件近く相談を受けるようになりました。
そして時代とともに、女性の住むゴミ屋敷が増えてきた印象です。私が見てきた中で、ゴミ屋敷と呼ばれる部屋はどのような状態かと言うと……。
ドアを開ければ腰高くらいまでゴミが積もっていて、天井までの距離がとても短くなっているとか、浴槽にもゴミが入っていてお風呂が使えないとか、ゴミのために冷蔵庫の下のドアが開かないとか、もちろん寝る場所もないのでゴミの上で横たわるとか。書きだしたらキリがありません。
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