フェアトレードのコーヒーは高いけど…
さて、「たった1%」と聞いたときの驚きはいったい何を物語っているのでしょうか。それは消費者である私たちが、自分が飲んでいるコーヒーのことをあまりにも知らな過ぎるということなのです。
消費者としてはどうしても安さに目が向き、安いものを買ってしまいます。それは、品質を犠牲にして安さを求めているということであり、それが「たった1%」という状況をもたらしています。そう考えると、先進国の消費者も「搾取する側」にいるという事実が浮かび上がってきます。
フェアトレードが定義する「公正な価格」は、「生産者の持続可能な生産と生活を支える」ことが基準となっています。フェアトレード商品は高いと言われますが、もしそれが公正な価格の基準だとすると、それ以下の値段で買うことは不公正に加担しているのかもしれないと考えてみるのもよいでしょう。
消費者の「つかう責任」(SDGsの12番目のゴール)には、公正な価格に見合った品質のコーヒーを選ぶことも含まれているはずです。
池本 幸生
東京大学東洋文化研究所教授
José.川島 良彰
株式会社ミカフェート 代表取締役社長
山下 加夏
ミカフェート・サステイナブル・マネージメント・アドバイザー
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