多くの日本人が何気なく飲んでいる「コーヒー」と「発展途上国の貧困」が密接につながっていることはあまり知られていません。そこで、池本幸生氏、José. 川島良彰氏、山下加夏氏の連著『コーヒーで読み解くSDGs』(ポプラ社)より、身近な飲み物であるコーヒーを切り口として、コーヒーと貧困について解説します。

フェアトレードのコーヒーは高いけど…

さて、「たった1%」と聞いたときの驚きはいったい何を物語っているのでしょうか。それは消費者である私たちが、自分が飲んでいるコーヒーのことをあまりにも知らな過ぎるということなのです。

 

消費者としてはどうしても安さに目が向き、安いものを買ってしまいます。それは、品質を犠牲にして安さを求めているということであり、それが「たった1%」という状況をもたらしています。そう考えると、先進国の消費者も「搾取する側」にいるという事実が浮かび上がってきます。

 

フェアトレードが定義する「公正な価格」は、「生産者の持続可能な生産と生活を支える」ことが基準となっています。フェアトレード商品は高いと言われますが、もしそれが公正な価格の基準だとすると、それ以下の値段で買うことは不公正に加担しているのかもしれないと考えてみるのもよいでしょう。

 

消費者の「つかう責任」(SDGsの12番目のゴール)には、公正な価格に見合った品質のコーヒーを選ぶことも含まれているはずです。

 

 

池本 幸生
東京大学東洋文化研究所教授

 

José.川島 良彰
株式会社ミカフェート 代表取締役社長

 

山下 加夏
ミカフェート・サステイナブル・マネージメント・アドバイザー

 

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コーヒーで読み解くSDGs

コーヒーで読み解くSDGs

Jose.川島 良彰、池本 幸生、山下 加夏

ポプラ社

あたなの知らない、コーヒーとSDGsの世界。 コーヒー、経済、開発援助の専門家3名がいざなうコーヒーで未来を変える旅。 コーヒーには、SDGsのアイデアがあふれている! #コーヒー危機と世界経済 #コーヒーがもたら…

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