「コーヒー危機」がもたらした飢餓
飢餓の「飢」も「餓」も「うえる」と読みます。つまり「飢餓」とは読んで字のごとく、食べるものがなく、空腹を感じている状態を指しますが、問題なのはその状態がずっと続いて栄養状態が悪化し、健康にまで悪影響を及ぼすことです。
人々が飢餓に陥る原因は様々です。例えば、干ばつなど異常気象や自然災害で食料生産が急激に減少することで起こることもありますし、あるいは、戦争やテロリズムのような人為的なものが原因になっているケースもあります。
このような場合は、飢餓が地域的な現象として起こっていることが多く、それ以外の地域では食料は十分に存在しているため、支援によって食料が提供されれば、比較的短期間で収まることもあります。逆に飢餓の状態が長続きしてしまうことがあれば、それは政府や国際社会の対応が不十分であるせいだと考えてよいでしょう。
また、どこかの国全体が飢饉に陥ってしまうようなときには、国連世界食糧計画(WFP)や国際協力によって食料支援が行われます。戦争によって難民になってしまった人たちには、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国際的に活動するNGOによる支援も行われています。
日本のような先進国の場合は、飢餓が個人のレベルで起こるケースが大半です。生活保護も受けられず、何の支援も受けられなかった人がひっそりと餓死していたという痛ましいニュースが報道されることがありますが、このような個人レベルの飢餓に対しては、社会がもっと細やかな対策を講じる必要があります。
さて、コーヒーは世界中でおよそ2,500万世帯の農家が従事すると言われる巨大産業であるがゆえに、コーヒー価格が大幅に下落すると、世界中のいたるところで飢餓が起こることがあります。
特にコーヒーが主要農作物となる中南米はその影響が大きく、実際、2001年に起きた「コーヒー危機」の際には、中南米の多くのコーヒー生産者の暮らしが立ちいかなくなり、多くの人々が慢性的な飢餓に陥りました。

栄養失調に陥った挙句、生きるために農園を捨てて都市を目指し移動する姿も多く見られたのです。
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