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コーヒー生産国の「教育の実態」…児童労働はなくなったのか?

多くの日本人が何気なく飲んでいる「コーヒー」と「発展途上国の貧困」が密接につながっていることはあまり知られていません。そこで、池本幸生氏、José. 川島良彰氏、山下加夏氏の連著『コーヒーで読み解くSDGs』(ポプラ社)より、身近な飲み物であるコーヒーを切り口として、コーヒーと貧困について解説します。

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「結果の平等」か「機会の平等」か

低所得層の人たちは、国の経済成長からどうしても取り残されがちです。国自体は経済成長を遂げているとしても、その恩恵を受けるのが高所得層の人に偏っていれば、所得格差は拡大することになります。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

本来であれば、低所得層にも経済成長の恩恵がもたらされるのが理想であり、そのような現象を「トリクルダウン効果」と呼びますが、現実にはそのような効果はほとんど働かず、所得格差は世界中でむしろ拡大する傾向にあります。

 

[図表1]のターゲット1(各国の所得下位40%の所得成長率が、国全体の平均値を上回るようにする)は低所得層の所得を、少なくとも国全体の成長率と同じように成長させることで格差の拡大を抑えようとするものですが、もっとも所得の高い1%の層(つまり、超富裕層)の出現によって所得格差の拡大はむしろ深刻になっているのが現実です。

 

[図表1]
[図表1]

 

1990年代の日本では、「結果の平等」か「機会の平等」かという論争が起こりました。「結果の平等」とは所得に大きな差をつけないということですが、これを確保しようとすると、より多くのお金を得ようとする機会は制限されることになります。

 

それに対し、日本経済がバブル崩壊後、立ち直れないのは、「結果の平等」を求めるあまり、ビジネスチャンスが過剰に奪われていることが原因であり、アメリカのように「大金持ちになる機会」を認めるべきだというのが「機会の平等」を求める人の言い分でした。

 

そして次第に「機会の平等」こそが本当に追求すべき平等であるという声が優勢になり、所得格差の拡大が容認される社会へと変わっていきました。1960年代の高度成長期には所得格差が縮小し、平等と成長を同時に達成した国として知られていた日本は、気がつけば立派な「格差社会」になったのです。

 

1990年代以降に生まれた若い人にとってはもはやそれが当たり前で、日本は「不平等な国」というイメージのほうが強いのではないでしょうか。貧困の原因は単に本人の能力が欠けているとか、まじめに働かないという本人の問題(つまり、自己責任)ではありません。本当の原因は社会から排除され、まともに働く機会を奪われていることです。

 

そこで、それまで排除されていた人たちを社会の中に取り込むこと、つまり「包摂」によって根本的な貧困対策を図ろうというのが[図表1]のターゲット2(年齢、性別、障がい者、人種、民族、生まれ、宗教、経済的地位やその他の地位に関わりなく、すべての人々のエンパワーメントを図り、社会的・経済的・政治的な「包摂」を促進する)の考え方なのです。そして[図表1]のターゲット5(世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制を強化する)はコーヒーとも重要な関わりがあります。なぜならコーヒーの世界市場は、1997年以降、投機資金の流入により乱高下を繰り返してきたからです。

 

コーヒー価格を低迷させることで利益を得ようとする動きもあり、その結果、コーヒー生産者の貧困化が深刻になっています。このような投機資金は健全なコーヒー市場にとって有害であり、それを規制すべきだという議論が行われていますが、未だ解決をみてはいません。

 

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東京大学東洋文化研究所 教授
日本サステイナブルコーヒー協会 理事

京都大学経済学部卒業後、アジア経済研究所入所。1987年から1989年にかけて海外派遣員としてタイのチュラロンコン大学社会科学研究所に赴任。1990年、京都大学東南アジア研究センター助教授。1993年から1994年にかけて東南アジア研究センター・バンコク連絡事務所駐在。1993年、京都大学博士(経済学)取得。1998年、東京大学東洋文化研究所助教授に就任し、2002年より現職。
2010年から2016年にかけてASNET(日本・アジアに関する教育研究ネットワーク)副ネットワーク長も務める。
主な著書は『連帯経済とソーシャル・ビジネス―貧困削減、富の再分配のためのケイパビリティ・アプローチ』(池本幸生 松井範惇編/明石書店)。翻訳書は『正義のアイデア』(アマルティア・セン/明石書店)、『格差社会の衝撃:不健康な格差社会を健康にする法』(リチャード・ウィルキンソン/書籍工房早山)、『女性と人間開発 潜在能力アプローチ』(マーサ・ヌスバウム)・『不平等再検討: 潜在能力と自由』(アマルティア・セン/ともに岩波書店)。

著者紹介

株式会社ミカフェート 代表取締役社長
日本サステイナブルコーヒー協会 理事長
タイ王室メイファールアン財団 コーヒーアドバイザー
国際協力機構(JICA)コーヒー分野にかかる課題別支援委員会 委員長

静岡市の焙煎卸業の家に生まれる。静岡聖光学院高等学校卒業後、エルサルバドル共和国国立コーヒー研究所に留学。大手コーヒー会社に就職。ジャマイカ、ハワイ、スマトラで農園開発に携わり、マダガスカルでは絶滅種マスカロコフェアの発見と種の保全、レユニオン島では絶滅種ブルボンポワントゥの発見と島のコーヒー産業を復活させた。
2007年に同社を退職後、日本サステイナブルコーヒー協会を設立し、2008年に株式会社ミカフェート設立。2017年、長年にわたるコーヒーを通じた日本とエルサルバドルとの友好親善の促進が認められ外務大臣表彰を受け、2019年には『ニューズウィーク』の「世界が尊敬する日本人100」に選ばれる。同年キューバで19世紀のティピカを発見した。
主な著書は『コーヒーハンター幻のブルボン・ポワントゥの復活』(平凡社)、『私はコーヒーで世界を変えることにした。』『コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか』(ともにポプラ社)、『Coffee Hunting Note 100カップログ』(世界文化社)。『僕はコーヒーがのめない(ビッグコミックス)』(小学館)の監修も務めた。

著者紹介

ミカフェート・サステイナブル・マネージメント・アドバイザー

慶應義塾大学卒業、ケンブリッジ大学修士号サステイナビリティ・リーダーシップ取得。外資系企業勤務後、2001年より国際NGOコンサベーション・インターナショナルに勤務。
気候変動プログラム・ディレクターとして、国連気候変動枠組条約の森林保全に関わるアジェンダへのインプットや日本政府の資金援助に基づく開発途上国の森林保全調査案件を率いたほか、現地プログラムとの連携によるプロジェクト実施に取り組む。
日本と開発途上国のパートナーシップによる持続可能な社会の実現をライフワークとする。2015年より、株式会社ミカフェートのサステイナブル・マネージメント・アドバイザー。主に個々のコーヒー生産農家がサステイナビリティを向上させるためのニーズを調査し、その支援の立ち上げに取り組んでいる。

著者紹介

連載コーヒーで学ぶSDGs

コーヒーで読み解くSDGs

コーヒーで読み解くSDGs

Jose.川島 良彰、池本 幸生、山下 加夏

ポプラ社

あたなの知らない、コーヒーとSDGsの世界。 コーヒー、経済、開発援助の専門家3名がいざなうコーヒーで未来を変える旅。 コーヒーには、SDGsのアイデアがあふれている! #コーヒー危機と世界経済 #コーヒーがもたら…

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