念願だったマイホーム。幸せも束の間、いつしか家計を圧迫し続ける「重荷」になっていた…。身に覚えのある方も多いのではないでしょうか。日本の住宅事情、先行きは明るくないかもしれません。

退職金を「リフォーム費用」に使ったとんでもない末路

現在、男性の平均寿命が80歳、女性が87歳くらいですから、20年で1500万円から2000万円もの額になります。先ほどの統計で貯蓄が2000万円くらい必要だといわれるのもうなずけます。

 

では、60歳のとき、退職金が2000万円入るとして、その半分の1000万円を無計画にリフォーム費用として使ってしまったらどうなるでしょう? その後、田舎に帰りたくなり更地にして土地を売ることになったら……。さらに、将来的に老人ホームに入居することになれば、他の費用も必要になります。とくに大きな支出となる住宅関連費用については、それだけ家計が圧迫されることになるので、慎重に時間をかけて考慮しておくべきです。

 

ライフプランから不動産の売却を考えたとき、おおむね50歳ごろから検討する必要があるというのはこのような理由からです。

 

10年あれば資金面の準備も比較的容易です。あらかじめ相場を把握していれば値付けに困ることもありません。その後の住み替えもスムーズに行えます。このことは、老後の生活を考慮するうえでも、とても重要な発想です。そして、不動産マーケットは今後も買い手市場が続いていきます。

 

そうなると、短期的な勝負ではなく、余裕のある売却計画の立案が欠かせません。なぜなら、利用する不動産会社や売却価格、あるいは購入者などの選択肢が増えるからです。マイホームの売却は早めの行動が大事であると、意識しておきましょう。

 

■準備不足のまま売り急げば大損必至

 

不動産取引においては、留意するべき事項がたくさんあります。手続きや売却の流れといった技術的なことはもちろん、価格を決める流通相場や土地の路線価、市場の動向など、さまざまな情報を入手したうえで判断しなければなりません。

 

もちろん、「どんな条件でもいいからマイホームを売却したい」ということであれば、それほど神経質になる必要はないかもしれません。しかし、そのような人はごくわずかでしょう。高額な住宅ローンを組み、苦労して返済した我が家だからこそ、少しでも好条件で販売したいと思うものです。

 

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池田 洋三

幻冬舎メディアコンサルティング

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