「両親のため」「子どものため」…家族の身を案じて貯蓄しているそのお金。名義は誰になっていますか? 親族をはじめとした「自分以外の名義」の口座にお金を預けていると「名義預金」とみなされ、税務調査の対象になってしまうことをご存じでしょうか。

「そういえば、お子さん名義の預貯金がありますよね」

税務当局は、名義預金の存在に非常に過敏になっており、税務調査の重点チェック項目となっています。

 

税務調査については、そのイメージをよくつかめないという人が多いでしょうから、その概要について簡単に説明しておきましょう。

 

税務調査には、任意調査と強制調査(いわゆる査察です。映画『マルサの女』で有名になりました)がありますが、非常に悪質なケースを除いて、ほとんどの調査は任意調査です。つまり、調査対象となる人の同意のもとに行われます。

 

しかし、任意調査とはいっても、税務署員は質問検査権という国家権力に基づいて調査をするわけですから、実質的には強制捜査に近いといえます。

 

税務調査の連絡が入ると、大体1~2週間先の日取りで調査の日程を取り決めます。日数は会社、個人の規模にもよりますが、通常は1~2日間です。調査は税務署の調査部門の人が調査官となって1~2名で訪れます。

 

帳簿等の資料について調査が行われるのは午後からで、午前中はヒアリングが中心になります。その時に、いろいろと相続に関する事情や家族関係などについて尋ねてきます。

 

たとえば、調査時に調査官がヒアリングを行う時などには、相続人である配偶者に対して世間話や子育ての苦労話をしながら、それとなく「そういえば、お子さん名義の預貯金がありますよね」などと誘い水を向けてきたりします。

 

「あ。」(※写真はイメージです/PIXTA)
「あ。」(※写真はイメージです/PIXTA)

 

名義預金に関しては、名義人本人が自由に処分できる状況にあるのかなど、贈与の成否を認定する上で、税務署の側にも微妙な判断を求められるところがあります。そこで税務調査の際に、相手の発言や態度などを通じて、調査官も名義預金と確信できるだけの心証を得ようと努めるわけです。

 

いずれにせよ、税務調査の俎上(そじょう)に載せられてしまうと、名義預金か否かは、後は税務署側の解釈次第ということになります。

 

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