悲惨!「念願だったマイホーム」20年経ったときには…
■築古マイホームの高値売却は困難を極める
少なくとも数千万円規模の取引になる住宅の購入。それは多くの人にとって、一生に一度の大きな決断となります。立地や建物の状況、各種条件などを勘案し、検討を経て、最終的な判断を下す、とても大きな意思決定です。
そしてほとんどの場合、購入時には銀行で住宅ローンを組むことになります。数千万円規模のローンですので、それこそ返済は一生をかけて行うことに。そのような苦労を覚悟して、ようやく手に入れることができるのが住宅です。
総務省が発表している「住宅・土地統計調査」によると、全国にある住宅の平均築年数は20年超。つまり、多くの人が、20年という長期にわたって住み続けているのが実情です。それだけ長く住み続けていれば、当然、愛着もわくことでしょう。「これだけ苦労して購入した住宅なのだから、売却時にはそれなりの価格がつくはずだ」と、そう考えてしまうのも無理はありません。とくに人は、自分の所有物に対して、価値があると考えてしまいがちなもの。長く住み続けてきた住宅であればなおさらです。
では、いざ住宅を売りに出してみるとどうなるのでしょうか。立地に恵まれているなど、よほどの好条件でない限り、提示される価格は購入当初のものとは比較にならないはずです。そのとき初めて気付かされることになるのです。「あれだけ苦労して購入したのに……」と。
考えてもみてください。
購入した当初の新築住宅には、土地や建物の原価はもちろん、宣伝広告費や人件費も投下されています。さらにそこから、不動産会社(売主)の利益も上乗せされています。それ故に、売却時の価格は大きく値下がりするのが当たり前です。ここでは、住宅を購入した際の苦労と売却時の価格は比例しないということだけ、頭に入れておいてください。