念願だったマイホーム。幸せも束の間、いつしか家計を圧迫し続ける「重荷」になっていた…。身に覚えのある方も多いのではないでしょうか。日本の住宅事情、先行きは明るくないかもしれません。

買い手が減少し…「日本の住宅市場」の恐ろしい実態

このように、不動産を売却する際には、その背景を知らなければなりません。いくら自分本位に見積もりをしても、相場からかい離しているようでは買い手がつきません。買い手がつかないということは、いつまで経っても売却できないまま保有することを意味します。

 

とくに住宅の場合、ただなんとなく売却する、ということはまずあり得ません。その後のライフプランを考えたうえで、愛着のある不動産を売りに出す、そのような大きな決断となる場合がほとんどです。それにも関わらず、売却できないのでは本末転倒です。

 

さらに、近年では不動産を取り巻く環境も変化しています。私が不動産の仕事に就いたのが13年前のこと。当時は、私の知る限り街中の小さな業者でも何社かは年間10棟ほど新築住宅を手がけていました。中堅どころになると60~100棟ほど。それも今では20棟~40棟とかなり減っています。

 

このことは買い手が減少していることを意味しています。買い手が減少し、業者の数が変わらなければ、競争は激しくなります。その結果、新築住宅を建てても、以前のようには利益がとれなくなりました。新築分譲の場合、自社で在庫を持たなければなりません。売れ残ったときのリスクはかなりあります。

 

業者としてはそのようなリスクを負うくらいなら、リスクの少ない仲介業務を事業の中心にした方が安全だと考えるようになりました。これが新築住宅を建てて売る小さい業者がなくなった理由です。

 

そして今後も、買い手が減少していくという状況に変わりはありません。だからこそ、少しでも高値での自宅売却を目指し、正しい知識を身につけるべきでしょう。

 

■供給過剰に陥っている不動産マーケットの現状

 

マイホームを売却するにあたって、まず知らなければならないのは、不動産マーケットの現状です。市場がどうなっているのかを把握することによって、どのような対策をとることが最適なのか理解できるようになります。

 

では、現在の不動産マーケットはどのような状況にあるのでしょうか。

 

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池田 洋三

幻冬舎メディアコンサルティング

長年住んだマイホームを売る──それには大きな決断を要する。取引は高額になるうえ、多くの人にとってチャンスは人生に一度きり。だからこそ、絶対に損をしたくないと誰もが思うものだ。ところが、そんな売主の願いもむなしく…

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