一つは、米金利と相関性の高いISM製造業景況指数との関係などを参考にすると、米金利には低下より上昇リスクが高そうだということ(図表4参照)。
そして為替ポジションは大きくユーロ買い・米ドル売りに傾斜している可能性があるため、さらなる米ドル売りは限られ、米ドル買い戻しのポテンシャルが大きそうだということです(図表5参照)。
ユーロ/米ドルの脱・小動きの手掛かりは米金利ですが、基本的には米金利上昇が再開し、米ドル買い・ユーロ売りが再燃するかが焦点になるでしょう。
豪ドル/米ドル:コモディティー相場上昇終了がカギ
豪ドル/米ドルも、ユーロ/米ドルと同様に、年末年始に昨年来の高値を更新、一段高となりました。ただユーロ/米ドルとは異なり、豪ドル/米ドルはその後も高値圏での推移が続いています。
この動きをうまく説明できるのは、コモディティーの総合的なインデックスであるCRB指数です(図表6参照)。
代表的な資源国通貨である豪ドルだけに、資源価格の影響の大きいCRB指数の上昇傾向が続いたことから、ユーロ/米ドルの反落にもかかわらず、高値圏での推移が続いた可能性があります。
そんなCRB指数も、先週は上昇一服感が目立ってきました。CRB指数が反落となるようなら、豪ドルも金利差にキャッチアップする形で反落に向かいそうです(図表7参照)。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティ FX学長
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