人材定着のカギは「給料、人事評価、仕事の満足度」
どうすれば、うまく採用でき人材が定着するのでしょうか。このことについて「中小企業白書2017」では「人材不足の克服」というテーマで1つの章を費やしています。その「まとめ」の部分が参考になるため、次に引用します。
『中小企業における人材の採用・定着に向けては、例えば昇給・昇進等の人事評価制度といった社内制度の整備だけでなく、時間外労働の削減や職場環境への配慮等、働きやすい環境の整備に向けた取組を併せて行うことで、より効果を発揮すると考えられる。
また、就業者から見ても、中核人材、労働人材の別にかかわらず、職場の環境整備に向けた仕事の采配の最適化や、経営陣含めた社内でのコミュニケーションの円滑化が、就業の満足度に大きな影響を与えることが推察される。
中小企業における人材の定着のためには、【社内制度の整備とともに、雰囲気のいい職場環境づくりに努めることで、従業員の就業の満足度を高め】、離職の可能性を減らしていくことが必要であるといえる』
(【】は著者)
まとめると、給料が満足のいく水準であり、しっかりとした人事評価制度を整備しているのはもちろん、従業員が仕事をするうえでの満足度も高めることが重要だということです。
労働分配率を下げる「サイクル」
私たちの実感では、ストレスの多い仕事にかける時間を減らし、自身の向上のため、もしくは社会への貢献や成長を感じられる仕事、個性を発揮できる仕事に振り向けると、従業員の満足度は高まると考えています。そして従業員の満足度が高まると中小企業には、次に挙げるメリットが生まれます。
●定着率が高まり採用・育成・引き継ぎにかかるコストが削減される
●従業員がいきいきと働くようになり、職場の雰囲気がよくなり、生産性向上につながる
●定着率が上がり、従業員の熟練度が高まり、生産性向上につながる
つまり、満足度を高め→やりがいを与え→定着させ→採用・育成のコストを下げ→生産性を上げ→給与を増やす→満足度が高まるといういいサイクルにしていけば、結果的に労働分配率を下げることになります。
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