「すぐ払いますから」滞納の言い訳を前にオーナーは…
このように、訴訟にかかる手間やコストなどを考えると、滞納トラブルを裁判の形で解決することは、必ずしも得策とはいえません。できるだけ訴訟は避け、問題が生じた段階で早期の対策をとることが望ましいでしょう。
まず、賃料の支払いが少しでも遅れたら、時間を置かず直ちに督促しましょう。その際に、「遅れてしまって申し訳ない。すぐに払うから」などとテナントが応じてきた場合には、滞納している金額と、支払予定日を合意書の形で残しておきます。
このように、テナントが滞納した事実とオーナーが督促した事実を文書化しておけば、支払予定日に結局支払われず、やむを得ず裁判になったとしても、訴訟を有利に進められるでしょう。すなわち、「オーナーの督促に対して○月○日までに支払うことを約束したのに、テナントが約束を守らなかったのは不誠実だ」などと裁判所に判断され、解約が認められる判決を得やすくなるはずです。
なお、オーナー自身が督促することをためらわれるのならば、不動産会社に依頼することをお勧めします(その場合には、弁護士法違反になるのを避けるために、賃料の支払いの督促だけでなく、物件の管理を依頼することも必要になります)。