「特養」が社会のセーフティネット機能をなくした理由に愕然

もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

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そもそも特養は低所得者向けの老人ホームだった

「住宅型有料老人ホーム」のわかりにくい実態

 

私はこれまでの著書の中で、「住宅型有料老人ホーム」は運営実態に照らして説明をする場合、とうていうまく説明することはできない、と主張してきました。

 

つまり、「特養」や「介護付き有料老人ホーム」と、この「住宅型有料老人ホーム」との“違い”はいったい何なのか? という読者の皆さんの質問に対し、法制度や基準などの違いを説明すること可能なのですが、運用実態の説明はきわめて困難であるということになります。

 

そもそも特養は低所得者向けの老人ホームだったという。(※写真はイメージです/PIXTA)
そもそも特養は低所得者向けの老人ホームだったという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

端的に申し上げると、制度や基準の違いを運用力で補い、実態は、特養や介護付き有料老人ホームと何ら変わらない運営を行っている住宅型有料老人ホームが非常に多いということです。

 

つまり、入居者にとっては、介護付き、住宅型の老人ホームに関する法的な違いを理解すること自体は、それほど重要なことではないと考えています。

 

制度に翻弄された「特養」の悲劇

 

そもそも特養とは、低所得者向けの老人ホームでした。いわゆる、社会の中のセーフティーネットです。認知症などの理由で在宅生活が困難になった高齢者に対し、行政などを中心とした高齢者福祉の専門家らにより、特別養護老人ホームに入所したほうがよいと判断した場合に入居することができる仕組みでした。これは、「措置」と呼ばれています。

 

当然、高額な費用負担をすることができない入居者を対象としていたので、居室は病院のように多床室です。大きな部屋をカーテンで仕切り、ベッド中心の居住空間で生活します。トイレは居室の外に共同のものが配置されています。だから居住コストを低く抑えることができ、低価格で提供することが可能になるのです。

 

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株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」

親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

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小嶋 勝利

海竜社

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誰も書かなかった老人ホーム

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