なぜ「ひどい扱いをされた」と思う人が多いのか?
私の耳には、多くの話が入ってきます。家族から自分の親が病院や老人ホームでどれだけぞんざいに扱われているのかという話です。たしかに、中には本当にひどい、信じられないという話もないことはありませんが、話のほとんどは過度な期待が原因になった無理な要望です。
自分は母親をこんなに大切に思っている。今までの長い歴史の中でこんなに感謝している。その母親を、介護職員も自分と同じ思いや感情を持って接してほしい、と。気持ちはわかりますが、どだい無理な話なのです。
当然、介護職員の中には可能な限りこのような期待に応えてあげたいと考えている人も存在しますが、会社の事情がそれを許してくれません。さらに、運営方針などでこのような「愛情のキーワードの旗」を掲げている老人ホーム運営企業も多くありますが、その旗と実際の運営実態は、多くの場合でリンクしていません。
私なりに解釈すれば、「とてもできないけれども、せめていつかはできるようになりたい」という努力目標として旗を掲げ、それを意識し続けることが重要なのだということなのですが。
小嶋 勝利
株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役
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