90歳父親が骨折…退院直前「老人ホーム探し」に長女は絶句

もし親を老人ホームに入居させるとして、まず第一歩として何を理解しておけばいいのでしょうか。老人ホームの裏の裏まで知り尽くす第一人者が、親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『親を老人ホームに入れようと思った時に読む本』(海竜社)から一部を抜粋、編集したものです。

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医療的処置は完了、病院の「退院してください」に直面

困らないと動けない。これが今の老人ホーム探しの実情

 

多くの人、というよりも大部分の人は、具体的に困った事態が起きて初めて「老人ホーム探し」に着手します。

 

正直言って、手遅れです。私のところにも、仕事柄、知人や友人を通して「失敗しない老人ホーム選びを伝授してほしい」というリクエストが数多くやってきます。そのとき、私はまず、「時間がありますか?」と尋ねます。多くの人は、この人はいったい何を言っているのだろうと怪訝な顔をします。時間とホーム選びの秘訣とどういう関係があるのだろうと。

 

多くの人の老人ホーム探しは、いざ土壇場になってから始まります。ここでは典型的な例を一つ記しておきたいと思います。

 

骨折で入院し、医療的な処置は完了。自宅療養は難しく、老人ホーム探しが始まった。(※写真はイメージです/PIXTA)
骨折で入院し、医療的な処置は完了。自宅療養は難しく、老人ホーム探しが始まった。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

一人暮らしのAさんは90歳男性です。都内の戸建てのご自宅で生活しています。隣町に長女Bさん。そして、地方に転勤で行ってしまった長男のCさんがいます。

 

Aさんは元気な高齢者、介護業界で言うところの自立の高齢者です。寄る年波にはかないませんが、自分のことはすべて自分でやれます。近所に買い物に出たAさんは、いつも歩きなれているはずの神社の階段で転び、足の骨を折ってしまいました。

 

医師から「手術はそれほど難しいものではありませんが、年齢が年齢なので一応家族で決めてほしい」と言われ、Aさん、Bさん、Cさんとで話し合った結果、治る見込みがあるなら手術をしてほしいという結論になり、ただちに手術を行い、成功を収めました。3週間ぐらいで退院です。

 

しかし、1週間ぐらいが過ぎたころ、Aさんの言動が少しおかしくなっていきます。さらに医師より、「そろそろ歩けるようにトレーニングを開始しなさい」という指示がありましたが、Aさんはトレーニングを拒絶するようになります。そして3週間が経過した後、Bさんら家族は病院のソーシャルワーカーから呼び出され、次のようなことを宣告されます。「退院になりますが、今の状態では一人暮らしのAさんをご自宅に帰すのは難しいと判断しています。お二人のどちらかの家で当面の間、引き取ってもらうことは可能でしょうか」。

 

Aさん、Bさんはお互いに顔を見ながら「……」です。さらにソーシャルワーカーが続けます。「もし難しいということであれば、老人ホームに入居するという方法もあります。探してみてはどうでしょうか」。Aさん、Bさんは突然のことでまたもや「……」です。さらにソーシャルワーカーは続けます。「医療的な処置は完了し、主治医からは退院の許可が出ています。ついては来週のX曜日までに退院していただきたいのですが」。そしてまた二人は「……」です。

 

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株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載親を老人ホームに入れようと思った時に「知っておきたい選び方、探し方」

親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

親を老人ホームに入れようと思った時に読む本

小嶋 勝利

海竜社

老人ホーム探しの「主役」は、一体誰なのでしょうか?もちろん「入居者」である、と答える方がほとんどではないでしょうか。しかし、多くの場合、とくに要介護高齢者用の老人ホームの場合、主として探しているのは「家族」です…

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