経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』(プレジデント社)から一部を抜粋、再編集した原稿です。

田んぼに囲まれた中古アパートでも入居する秘密

ポイントは3つあった。

 

1つ目は、車社会の地方都市では、駐車場を確保できれば、その立地のデメリットは解消できること。むしろ家賃を安くすれば、それ自体を魅力だと思う人がいるはずだと見込んだ。

 

車社会の地方都市では、駐車場の確保がポイントとなる。 (画像はイメージです/PIXTA)
車社会の地方都市では、駐車場の確保がポイントとなる。
(画像はイメージです/PIXTA)

 

2つ目は、購入したアパートは、周辺が田んぼであっても、土地が安いためか近くに大きな工場が複数あったこと。複数の工場があれば、どこかが撤退したとしても、賃貸住宅の需要は引き続きあるので、十分やっていけると見込んだ。

 

3つ目は、アパートから車で10分程度のところに、翌年アウトレットモールがオープン予定だという情報を得ていたこと。

 

結果として、建物が古く空室には修繕が必要だった上に、募集力の弱い管理会社を途中から変更したことなどにより、購入から5カ月ほどかかったが、満室にすることができた。

 

2年半後に売却したが、それまでの間の家賃収入と売却益で1000万円ほどの資産をつくることができ、その資産は次に購入する物件の資金に充てることができたという。

 

そんな多喜さんは、「田舎というデメリットは、すでにわかっている欠点。しかし必ずしも解消できない欠点ではない」と話す。立地に難がある物件でも、その地域ならではの賃貸住宅の需要を見極めマッチさせることができれば、高収益物件に再生することができる。多喜さんが「レッドオーシャン」の都会より、「ブルーオーシャン」の田舎を狙う理由はその点にあるのだ。

 

永井ゆかり
「家主と地主」編集長

 

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永井 ゆかり

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