老人ホームのレクリエーション…業界用語「不穏になる」の意味

どうやって老人ホームを選んだらいいのか? それには入居者の生の声を聞くのが一番と、国内最大の老人ホーム紹介センターを経営する著者は断言します。そこで著者は、数々の入居者のエピソードを通して、ホームでの暮らしの悲喜こもごもを紹介。現在、国内最大の老人ホーム紹介センターを経営する著者が、実は知らない老人ホームの真実を明らかにします。本連載は小嶋勝利著『老人ホーム リアルな暮らし』(祥伝社新書)の抜粋原稿です。

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リアルに疑似体験─老人ホームの24時間

入居者や家族は、老人ホームの日常をぜひ理解してほしい。これから書くことが実態であり、これが真実です。ここでは、介護付き有料老人ホームの一日を、時間軸で説明していきたいと思います。提供されるサービスの手厚さと利用料金は、比例しています。料金によっては、ここで記載されていることをしてもらえないホーム、逆に、さらに手厚くしてもらえるホームがあるということに、留意してください。

 

もう一つの食事の話

 

「胃瘻(いろう)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 今でこそ、少なくなりましたが、私が現役の介護職員だった頃は、どこのホームにも数名の胃瘻の入居者がいました。

 

レクリエーションは全く盛り上がらないという。(※写真はイメージです/PIXTA)
レクリエーションは全く盛り上がらないという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

胃瘻とは、何らかの理由で口から食事を摂取することができなくなった人が、お腹に穴を開けて、胃に直接管を通して栄養を入れることを言います。薬ではなく栄養を入れるので、多くの老人ホームでは、「食事」と定義しているはずです。

 

私のホームでも、食事と定義していました。胃瘻の入居者に対し、朝昼晩と3回に分け、約1時間ほどの時間をかけて、栄養のある液体を流し込みます。点滴のようなイメージですが、点滴より、管が太くお腹に入っていきます。もちろん、胃に流している栄養は、口から摂取することも可能です。

 

私が介護職員だった当時は、なかなか口から食事を上手く取ることができず、誤嚥性肺炎などを繰り返している入居者は、主治医から「そろそろ胃瘻にしたらどうか」と言われ、多くの家族が素直に胃瘻造設のオペに同意していました。介護職員も、食事介助などの行為を通して、「Aさんは、だんだん食べられなくなってきた。このままだと、胃瘻になるのも時間の問題だ」などと話していたものです。

 

最近では、多くの医師や介護職員、家族の意識が変わり、胃瘻を延命と位置づけ、無意味な延命を望まない入居者やその家族が増えてきています。当時と違い、今では「胃瘻をしてまでして生きていたくない」などという会話が増えてきています。人の生き死にについて、ここ数年で死生観が大きく変わってきたということだと思います。

 

昼食が終わると排泄介護へ。または中断していた入浴が始まります

 

食事が終わると、三々五々、入居者は居室へ帰っていきます。要介護状態の入居者の場合、食事の後は口腔ケアを行ない、排泄介護へという流れになります。そして、食事で中断されていた午後の入浴が再開されます。

 

多くのホームでは、入居者の食事が一段落した時点で、昼の申し送りが始まります。昼の申し送りは、業務に従事している職員だけで実施するのが普通です。申し送りの内容ですが、午前中の入居者の様子や、午後から夕方までのイベントの確認を行なって終了します。

株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役

(株)ASFON TRUST NETWORK常務取締役。1965年神奈川県生まれ。日本大学卒業後、不動産開発会社勤務を経て日本シルバーサービスに入社。介護付き有料老人ホーム「桜湯園」で介護職、施設長、施設開発企画業務に従事する。2006年に退職後、同社の元社員らと有料老人ホームのコンサルティング会社ASFONを設立。2010年、有料老人ホーム等の紹介センター大手「みんかい」をグループ化し、入居者ニーズに合った老人ホームの紹介に加えて、首都圏を中心に複数のホームで運営コンサルティングを行っている。老人ホームの現状と課題を知り尽くし、数多くの講演を通じて、施設の真の姿を伝え続けている。

著者紹介

連載実は知らない老人ホームの真実

誰も書かなかった老人ホーム

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小嶋 勝利

祥伝社新書

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老人ホーム リアルな暮らし

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もはや老人はいらない!

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小嶋 勝利

ビジネス社

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