経済基盤が安定すると、人は心に余裕を持ち、豊かな人生を送れることを多くの大家を取材して強く感じたという。1万人の大家を取材してきた著者が、サラリーマンの定年後に毎月着実に家賃収入を得ることができる不動産で資産を増やす方法を伝授する。本連載は賃貸不動産オーナー向け経営情報誌「家主と地主」の編集長の永井ゆかり氏の著書『1万人の大家さんの結論!生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門』から一部を抜粋、再編集した原稿です。

不動産会社は情報を出さないで売却する

「ここでしか手に入らない情報あります」

 

不動産会社の中には、収益不動産をあまり表に出したがらない会社が少なくない。なぜ、出したがらないのか。理由は主に2つある。

 

一つは、広く物件情報を公開することで、売れ残ってしまった場合、長い期間募集が出ている「出回り物件」と思われてしまうこと。出回り物件となると、「この物件は、長い間、買い手が付かない魅力のない物件なのではないか」と思われてしまって、さらに売りにくくなってしまうからだ。もう一つは、売主が物件を売却することを広く知られたくないという場合。不動産を売却する理由は、後ろ向きなケースも少なくない。そうした場合は、不動産会社は、情報をできるだけ表に出さずに売却しようとする。

 

こうした状況の場合、「ここでしか手に入らない情報」という言い方は、確かに間違っていない かもしれないが、その情報の良し悪しは、また別の話だ。やはり、不動産会社が紹介するこの「ここでしか手に入らない情報」が、自分にとって価値あるものかどうかを見極めるための、知識と情報が不可欠になってくる。

 

「早く決めないと他の人に紹介してしまいますよ」とせかされたとしても、不動産は決して安い買い物ではない上に、ビギナーにとっては最初の購入となるので、つまずきたくはないだろう。慎重に物件を見極める力が必要だ。

 

不動産会社の目的は、不動産を販売することにある。不動産会社の中には、良心的な会社もある 一方、販売するためには手段を選ばない会社もあるということを知っておくべきだろう。昨今、不動産投資に関する事件の多さが裏付けているように、特に収益不動産を取り扱う会社は玉石混交であることを肝に銘ずべきだ。

 

永井ゆかり
「家主と地主」編集長

 

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1万人の大家さんの結論! 生涯現役で稼ぐ「サラリーマン家主」入門

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永井 ゆかり

プレジデント社

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