「都心へのアクセス・建築時期」に評価ポイントあり
前回執筆した記事では、資産性と収益性のバランスを踏まえて、さらに現在の金融環境、賃料、入居率の安定度から将来性を考察した際に浮かび上がるのが「中古」「郊外」「RCマンション」というキーワードであると解説しました。ここでは、なぜ「中古郊外RC」なのかという点に触れたいと思います。
まずは「郊外」の定義です。一口に郊外といってもさまざまですが、筆者がターゲットとして申し上げる「郊外」とは、環状八号線と国道16号線の間を指します(図表1)。
なぜ、この郊外エリアを勧めているかというと、まず「都心にドア・トゥ・ドアで1時間程度でアクセスできること」、そして「バブル期には多くのRCの賃貸マンションが建築されていること」が挙げられます(バブル期に建てられたRCマンションをお勧めする理由は、次回以上の記事で詳述します)。
東京の面白いところは、地方都市と違い、人が集まるターミナル駅がたくさんあることです。大阪、名古屋、福岡などの中心部は一ヵ所に決まっており、東京ほど範囲が広くありません。東京の場合は、東京都を中心にして千葉県、埼玉県、神奈川県を合わせて東京通勤圏を構成しています。その面積は広いため、各方面からのターミナルとなる駅も、新宿・渋谷・品川・池袋・上野など数多く、そこから放射状に延びる沿線が住宅地(ベッドタウン)として発展してきた歴史があり、最も人口が集中しています。
下記の図表2は、「一都三県の世帯数と人口推移」です。ここから読み取れるのは、一都三県の人口のピークは2020年で、そこからゆるやかに減少していきますが、世帯数は2030年まで増加傾向にあるということです。つまり、人は減っても住まいは求められているのです。