バブル時代の建物は築年数が経ってもクオリティが高い
郊外にはバブル期に建てられた物件が多数ありますが、ここに特化した不動産会社はほとんどありません。
なぜバブル期に建てられたマンションに注目するかといえば、築年数は経っていても建物のクオリティが高いこと。また、今後ライバルとなる新築RC物件が建つ可能性が低いからです。
というのも、私がサラリーマン時代に分譲マンションを建てて売っていた約20年前と比べると、現在は建築費が高騰し、また建築に携わる会社・人の数は激減しています。
当時は中小規模のマンションでも1坪あたりの建築費は60万円ほどでしたが、今だと120万円、130万円はかかります。つまり、郊外でRCが建てられるのは、数百戸規模でコストメリットが図れる財閥系の分譲マンションくらいです。
また最近、建築費を圧縮した新築木造アパートもありますが、今から20年後の競争力という意味ではバブル期に建てられたRCのマンションが上回るといえるでしょう。昔のRCマンションは解体費用が高くなりますが、それくらいお金を投じて建てられているのです。
以上のことから、今後この郊外エリアに競合となるバブル期と同じレベルのRCマンションが新築で建つ可能性は極めて低いといえます。建ったとしてもコストが圧倒的に違うため価格帯は競合にならないでしょう。
木造や鉄骨物件なら、これからも新築で建っていくでしょうがRC物件が建つ可能性は低く、今すでにあるRC物件の希少価値が高いということです。
木造物件と比べたときのRC物件のメリットは、主に次の通りです。
●資産価値が圧倒的に高い
●耐震・防音・断熱機能に優れ気密性も高い
●経済的耐用年数が長い(長期間安定収益をもたらす)
特に、経済的耐用年数が長いという点については、国土交通省が2013年に発表した資料の中にも記載があります。
法定耐用年数ではRCの耐久力が47年とされていますが、実際はそれ以上あるという知見が多数紹介されているのです(図表5)。