2018年に社会問題となった、新築シェアハウス“かぼちゃの馬車"破綻事件以降、不動産投資へのネガティブなイメージが広がっています。しかし、ある一定の条件を揃えることで、収益不動産を活用した資産形成は実現できます。ここでは、投資物件の選択から維持管理の基本を解説します。※本記事は『新富裕層のための戦略的不動産投資』(幻冬舎MC)を抜粋・再編集したものです。

「管理会社」と「仲介会社」の違いを理解しているか?

不動産投資は物件のよさだけでは成功を収めることはできません。特に運用面では、客付け力が重要な指標となります。リーシング力について解説している本はたくさんありますが、うまく伝わっていない部分も多くあると感じています。それは、管理会社と仲介会社の違いです。

 

当社は賃貸店舗を所有しておらず地場もないのですが、常時96%以上の入居率を保っています。これは、当社のリーシング担当が「管理物件の入居率」を目標としているからだといえます。一方、仲介店舗は「手数料」を目標にしています。例えば、管理物件の入居率よりも仲介手数料や広告費、家賃保証会社など、あらゆるところからマージンを得ることに重きを置いているわけです。つまり、当社のようなタイプはストックビジネスのようなものであり、一方の仲介店舗は単発の手数料商ですので、ビジネスの仕組みが違うということです。

 

管理だけをしている会社であれば、管理手数料が利益の中心となり、客付け会社であれば賃貸仲介の手数料や広告費が利益となります。また、店舗で営業する客付け会社の場合、店舗運営のコストがかかります。

 

今はネットの時代ですが、管理会社と客付け会社の連携がどれだけとれているのかがキーとなります。どのような客付け会社が強いのかは一概に言い切れませんし、一社に任せて客付けが決まるという時代ではありませんから、管理会社が複数の客付け会社に入居募集を依頼していくのが重要です。

 

自主管理をして自分で賃貸仲介会社を一件ずつ回るという方も時々いますが、それを本業にしている管理会社に任せたほうが費用対効果は高いです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

そもそもの話として、一口に「不動産会社」や「客付け会社」といっても、例えばTVCMで見かけるような大手チェーン店は、一見客付け会社のように見えますが、地元では大手の管理会社であるケースが多いです。直営店舗の他地場の不動産会社がフランチャイズに加入しているケースもありますから、見た目は全国区のショップのように見えて、実態は地場の老舗管理会社であるということも少なくありません。

 

結局のところ大切なのは、しっかりとリーシングすることです。そのためにどうすればいいのかといえば、非常にシンプルな話です。入退去の管理やクリーニングやリフォーム手配を行い、客付け会社にきちんと情報を周知させること。またADなど、かかる経費をしっかりと配分することです。

 

物件に関していえば、空室を埋めるには、「キレイにすること」が基本です。退去になった部屋は迅速に原状回復工事や必要なリフォームを実施することはもとより、一棟丸ごと管理している会社としてエントランス・廊下・ゴミ置き場・EV・駐輪場など、常に全体をきれいに保っておくことが一つひとつのお部屋の入居促進につながる第一歩です。

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新富裕層のための戦略的不動産投資

新富裕層のための戦略的不動産投資

杉山 浩一

幻冬舎

不動産投資で成功できるのは限られた人だけ! 分析に基づいた論理的戦略とは? 不動産投資は危険…2018年に社会問題となった新築シェアハウス“かぼちゃの馬車"破綻事件以降、不動産投資に対するネガティブなイメージが広…

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