水面下で不動産業界の再編が始まっている
そんな環境下、彼らが作る航空母艦クラスのオフィスビルはもうじき、その全容を東京都心に現わすようになります。
そればかりか都市郊外部では巨大な商業施設やアウトレットパークを展開し、幹線道路沿いには物流需要の増大を見込んで最新鋭の大型物流施設を続々建設。さらにはインバウンドを含めた観光旅行需要を見越してホテル、リゾート施設の開発にも余念がありません。
海外にも元気に出撃しています。ニューヨークやロンドンではオフィスビルや商業施設、アジアではコンドミニアムを地元企業などと手を組んで展開しています。
もちろんマンションデベロッパーとして、都心部における超高級マンションや湾岸部におけるタワーマンションの開発、分譲にも手抜かりはありません。
こうした全方位展開を行なう不動産業界各社は、現在の「バブル現象」をどのように捉えているのでしょうか。おそらく多くの会社の感覚として、実需を上回る供給を行なっていることに対する「注意信号=警戒心」のようなものはなんとなく持っているものと思われます。しかし、かといってここで「引け」の合図は出しにくいというのも本音なのです。自らがバブルを認めるわけにもいきませんし、投資マネーが市場を席巻し、金利が史上稀にみる低水準にある現在の環境下では「とにかく行けるところまで行ってやろう」という状態にあるようです。
さすがに2020年以降については、市場に対する見方はやや慎重になっているようにも見えますが、それまでの間の事業拡大は「急激かつ急速」です。いつの時代でもこの業界は図体がでかいだけに「急ブレーキ」を踏むことは苦手のようです。
おそらく今回再び「バブル崩壊」が現実のものとなった時には、業界内に再編の嵐が吹くことになるかもしれません。事実、こんなにデベロッパーの数が必要なほど、日本国内に今後も開発需要があるとも思えません。