もはや不動産業のメディア…新聞、テレビ、出版が沈没する日

新型コロナウイルスの感染拡大によって景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産の現状と近未来を明らかにする。

大手新聞社の経営を支える不動産収益

今回のバブルで戦線が伸び切ったゼネコンやデベロッパーの一部が倒産する。異常な低金利政策に翻弄された銀行が、収益構造を確立できずに金利上昇と不良債権の激増に耐えられずに窮地に陥る。割合わかりやすい展開です。

 

しかし平成バブル時とは異なり、今回バブルが崩壊すると、世間では「おや?」と思うような銘柄の会社が倒産するのではないかと思われます。

 

日本の大手メディアは不動産収入に依存しているという。(※写真はイメージです/PIXTA)
日本の大手メディアは不動産収入に依存しているという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

平成バブル時、日本の主要メディアは、

 

「日本の地価は、不動産価格は高すぎる」
「このままでは誰も家が買えなくなる」

 

と騒ぎ立て、まるで不動産を扱う会社はみんな悪魔のような扱いをされたものでした。地価は今すぐ下げるべきだと特集記事や番組を組み、実際にこうした声を受けて政府日銀は地価の収束に全力を傾けることになりました。

 

ところが今、銀座山野楽器前の地価は平成バブル時とほぼ並び、都心の土地の取得競争は熾烈を極めているのにもかかわらず、メディアは妙におとなしくないでしょうか。雑誌の一部で「バブル再燃」と書き立てても、大手メディアからこれに同調する記事は出てきません。 

 

まさかアベノミクスを標榜する時の政府に「忖度」しているわけでもないのでしょうが、どうも筆が立っていないのは事実のようです。何が大手メディアの動きを鈍くさせているのでしょうか。

 

理由は、メディアの収益構造の変化にあります。大手新聞社である読売、朝日、毎日、日本経済、産経の各社は、国民の「新聞離れ」で新聞媒体の収益を落としていますが、この減収を補っているのが不動産収益です。各社は読売、日経、産経が大手町、朝日が有楽町、毎日が竹橋といったいずれも都内中心部に本社を構えてきました。

オラガ総研 株式会社 代表取締役

1959年、アメリカ生まれ。東京大学経済学部卒。ボストンコンサルティンググループを経て、三井不動産に勤務。2006年、J-REIT(不動産投資信託)の日本コマーシャル投資法人を上場。現在は、オラガ総研株式会社代表取締役としてホテルや不動産のアドバイザリーのほか、市場調査や講演活動を展開。主な著書に『空き家問題』『民泊ビジネス』『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』など多数。

著者紹介

連載不動産の動きを観察すれば、日本経済がわかる

不動産で知る日本のこれから

不動産で知る日本のこれから

牧野 知弘

祥伝社新書

極地的な上昇を示す地域がある一方で、地方の地価は下がり続けている。高倍率で瞬時に売れるマンションがある一方で、金を出さねば売れない物件もある。いったい日本はどうなっているのか。 「不動産のプロ」であり、多くの…

業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊

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牧野 知弘

祥伝社新書

不動産が高騰し続けている。 銀座の地価は1980年代のバブル期を上回り、三大都市圏と「札仙広福」(札幌・仙台・広島・福岡)の上昇が著しい。国内外の投資マネーの流入、外国人富裕層の購入を背景に、超大型ビルや再開発の計画…

不動産激変 コロナが変えた日本社会

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牧野 知弘

祥伝社新書

新型コロナウイルスの感染拡大によって不動産の世界は大激変している。「不動産のプロ」であり、長く現場の動向を観察してきた著者は、そう断言する。いったい、何が変わるのか?たとえば、従来社員一人当たり三坪で計算されて…

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