資産家の高齢母が頭を抱える「不仲な中年姉妹」の相続問題

順調に人生を歩んでいる姉と、躓きがちな妹。母親も高齢となり、そろそろ相続の心配が出てきましたが、姉妹の仲は円満とはいいがたく、母親は頭を抱えています。将来の相続トラブルは必至であり、いまからとれる対策を模索している状態です。どのような事前準備をすべきなのでしょうか。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

高齢母の資産は、自宅、貸家2軒、金融資産1億円超

今回の相談者は、50代会社員のHさんです。父親は10年前に亡くなっており、母親の相続人はHさんと3歳下の妹の2人です。母親は80代後半ですが、まだまだ元気で、父親が亡くなったあともマンションでひとり暮らしをしています。

 

 

Hさんは大学卒業後、親友の紹介で結婚。夫は上場企業に勤めるビジネスマンで、2人の子どもにも恵まれました。夫の赴任先であるアメリカへも帯同し、現地の学校に通った子どもたちは英語が堪能です。現在はそれぞれ有名私立大学に通い、上の子どもは大手の外資系金融機関に内定をもらっています。

 

Hさんは、下の子が中学を卒業したタイミングで仕事に復帰。以前の勤め先でお世話になった上司が起業し、事業が軌道に乗った際、専業主婦をしていたHさんに声がかかりました。現在は小規模の組織ながら、中間管理職の立場で数人の部下をまとめています。Hさんの妹は、短大を卒業後すぐに結婚して専業主婦となりましたが、30歳で離婚。子どもはなく、現在は都内の企業で派遣社員をしながらひとり暮らしです。

 

「10年前に父親が亡くなったときは、母親がすべてを相続しました。そのため、大きな問題はありませんでした。ですが、母親の相続となると簡単にはいかないのです」

 

Hさんはこのように語りました。母親の財産は、現在住んでいる自宅マンションのほか、貸家2軒と金融資産が1億円以上あります。相続税はかかりますが、預金で払える範囲だと確認できています。現在は2軒の貸家から家賃が入るため、年金と合わせて生活に困ることはありません。

 

あああ
(※写真はイメージです/PIXTA)

株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター 
相続対策専門士

京都府立大学女子短期大学卒。PHP研究所勤務後、1987年に不動産コンサルティング会社を創業。土地活用提案、賃貸管理業務を行う中で相続対策事業を開始。2001年に相続対策の専門会社として夢相続を分社。相続実務士の創始者として1万4400件の相続相談に対処。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など相続に関わる専門家と提携し、感情面、経済面、収益面に配慮した「オーダーメード相続」を提案、サポートしている。

著書61冊累計53万部、TV・ラジオ出演125回、新聞・雑誌掲載699回、セミナー登壇567回を数える。著書に、『図解でわかる 相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル 改訂新版』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『図解90分でわかる!相続実務士が解決!財産を減らさない相続対策』(クロスメディア・パブリッシング)、『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2021年版 (別冊ESSE) 』(扶桑社)など多数。

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

著者紹介

連載相続実務士発!みんなが悩んでいる「相続問題」の実例

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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