億単位の財産と未婚の義妹…夫亡きあとに残った「心配の火種」

夫唱婦随で地道な商売を続け、気づけば積み上がった資産は億単位…。しかし、夫が急逝したことで、妻は相続の問題に直面します。降りかかる高額な相続税と、夫が気にかけ、そばに置いていた独身の妹への対処に、妻は困り果ててしまいます。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

洋品店を経営する夫婦…店と自宅と駅近駐車場を所有

今回の相談者は、60代のT村さんです。T村さんは40年近く、夫婦で洋品店を経営してきました。なんの伝手も元手もないところから商売をスタートし、それこそ朝早くから夜中まで働き詰めだったそうです。

 

 

当初は流行の衣類や小物類を中心に置いていましたが、近隣に大型スーパーや衣料品店ができたころから経営方針を変更し、年代が高め、サイズが大きめの婦人服を中心に扱うようにしたところ、固定客がついて経営が安定しました。

 

T村さんの夫の楽しみは、株や不動産の購入でした。お金に余裕ができると少しずつ株を買い、まとまった金額になると、不動産の購入費用の足しにしていたのです。夫が所有するのは商売をしている駅前の店と、家族で生活する自宅、そして駅近の駐車場です。

 

60歳も過ぎ、これからは夫婦で年金をもらいつつ、商売もペースを落としてのんびりとやっていこうと話していた矢先、T村さんの夫は体調を崩してしまいました。念のための検査ということで近くの国立病院へ行ったところ、深刻な病気が発見され、そのまま緊急入院。結局、退院することもできないまま、数週間後に亡くなってしまったのです。

 

本人も家族も、念のための検査のつもりだっただけに、思いもよらない結果に慌てふためき、心の準備も覚悟もないまま葬儀を終えました。

 

T村さんは、夫の死があまりにあっけなく、しばらくは呆然自失となってしまいましたが、相続の手続きをしなくてはいけないと思い立ち、筆者のところへ相談に来られたのでした。

 

●相続関係者

被相続人:夫(洋品店経営)
相続人 :2人 妻(洋品店経営)、長女(既婚)

 

あああ
客層を絞ったところ、固定客がついて商売は安定した(※写真はイメージです/PIXTA)

株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター 
相続対策専門士

京都府立大学女子短期大学卒。PHP研究所勤務後、1987年に不動産コンサルティング会社を創業。土地活用提案、賃貸管理業務を行う中で相続対策事業を開始。2001年に相続対策の専門会社として夢相続を分社。相続実務士の創始者として1万4400件の相続相談に対処。弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など相続に関わる専門家と提携し、感情面、経済面、収益面に配慮した「オーダーメード相続」を提案、サポートしている。

著書61冊累計53万部、TV・ラジオ出演125回、新聞・雑誌掲載699回、セミナー登壇567回を数える。著書に、『図解でわかる 相続発生後でも間に合う完全節税マニュアル 改訂新版』(幻冬舎メディアコンサルティング)、『図解90分でわかる!相続実務士が解決!財産を減らさない相続対策』(クロスメディア・パブリッシング)、『図解 身内が亡くなった後の手続きがすべてわかる本 2021年版 (別冊ESSE) 』(扶桑社)など多数。

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

著者紹介

連載相続実務士発!みんなが悩んでいる「相続問題」の実例

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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