夫唱婦随で地道な商売を続け、気づけば積み上がった資産は億単位…。しかし、夫が急逝したことで、妻は相続の問題に直面します。降りかかる高額な相続税と、夫が気にかけ、そばに置いていた独身の妹への対処に、妻は困り果ててしまいます。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。

 

そこで筆者は、この機会に義妹から自宅の権利を買い取るよう、T村さんにアドバイスしました。義妹にお金を払うことで、仕事も住まいも独立してもらうことができたのです。長年、胸に引っかかっていたことが、無事に円満解決できたのでした。

 

 

思い切って商売をやめ、店舗をビルに建て替え収益化

今回はゼロ円となった相続税ですが、T村さんが相続した財産がすべてひとり娘に残されるとなると、子どもの代でいま以上に相続税を取られることになります。そこで、商売をやめることをきっかけに、いまの店舗を不動産収入が得られる賃貸ビルに建て直し、あえて負債を作り出すことを提案しました。

 

収支のバランスのとれる賃貸事業によって「無理のない負債」が生じ、その結果財産評価を下げられます。この計画を実行すれば、娘さんの代の相続でも、相続税はほとんどかからない状態に持ち込めます。

 

「夫はいつも、借金をしないように、親族の生活が不安にならないようにと、気を配っていたのですが、それが相続時の問題になるとは思いませんでした」

 

「計画どおりの対策を取れたおかげで、私の税金だけでなく、娘が背負う税金の心配もなくなり、本当に安心しました」

 

「働き者の母ですが、高齢になって体力が落ちていることを心配していました。でもこれで、ビルからも収入が入ることになり、心配なく老後を楽しんでもらえます」

 

すべての手続きが完了したあと、T村さんと娘さんは心からホッとした様子で、笑顔を見せてくれました。


 

※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

 

曽根 惠子

株式会社夢相続代表取締役

公認不動産コンサルティングマスター

相続対策専門士

 

本記事は、株式会社夢相続が運営するサイトに掲載された相談事例を転載・再編集したものです。

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