今後はビルやマンションの管理業務もAIが支配
ホテルの宿泊業務にもAIの波は押し寄せています。ホテルは季節や曜日、天候、イベントの有無などによって稼働率や宿泊単価に大きな変動が生じるビジネスです。以前は旅行代理店に部屋を預けて、彼らの顧客に売ってもらうという「業者任せ」というのが宿泊部門の仕事でした。したがって宿泊支配人というのはとにかく旅行代理店を接待しまくって、なるべく自分のホテルに顧客を優先して廻してもらうように取り計らうことが、重要な仕事の一つでした。
ところが、現在ではシステムにこうした変数を入れて宿泊管理を行なうようになり、旅行業者への接待はなくなりました。このレベニューマネジメントと呼ばれるシステムを操る人材がホテルでは重要な役割となっていたのですが、ここにAIが加わるようになり、現在は「無人」でもAIが勝手に指示を出して宿泊客を受け付けるようになってきました。
おそらく今後はビルやマンションの管理業務でも、こうしたAIによる支配が出てくるかもわかりません。マンションのモンスタークレーマーも、今後はAIに逆襲される時代がやってくるのかもしれません。
牧野 知弘
オラガ総研 代表取締役