新型コロナが急加速…「テナントドミノ倒し」のオフィス崩壊

新型コロナウイルスの感染拡大によって景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産の現状と近未来を明らかにする。

東京都内は巨大オフィスビル竣工ラッシュ

2018年から2020年を挟む5、6年は、東京都内は大変なオフィスビル竣工ラッシュを迎えそうです。徐々にその威容を見せ始めたビルはいずれも巨大なものばかり。ワンフロアの貸付面積は600坪、あるいは1000坪などという航空母艦のようなオフィスビル群です。

 

以前、東京大手町の大手町ビルで会合があった私は、ビルのエントランスにちょっと遅れ気味ではあったものの、ほぼ会合の始まる時間に到着しました。あわてて、傍らにあったエレベーターに飛び乗り、会合が行なわれる9階へ。

 

都心は巨大オフィスビル建設ラッシュだが……。(※写真はイメージです/PIXTA)
都心は巨大オフィスビル建設ラッシュだが……。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ところがここから私は地獄を体験します。部屋の番号をメモしていなかった私は、エレベーターホールにあるフロア図を見て驚愕したのです。ひ、広い。

 

会合は会議室で行なわれる予定だったのですが、私はどこの会社の何という会議室かメモをしていなかったのです。

 

大手町ビルは三菱地所が1958年4月に竣工させた日本のビル史上、大変由緒正しいビルです。ところがこのビル、なんと東西に200mもある長大なビルなのです。

 

「えい、ままよ」

 

私は適当に狙いを定めて一番東側の北端の部屋を目指しました。はずれ。

 

しまった。仕方がないので北側の長い廊下を、一軒一軒テナント看板を覗き込みながら歩きますが、肝心の訪問先にはたどり着けません。そのうち焦ってきました。会合はもう始まっている。でも見つからない。なんてこった。

 

北側廊下の端、つまり西端を曲がって南側廊下に出たとき、一番遠くの東端から会合の担当者が私を呼ぶ声が聞こえました。

 

「牧野さーん、こっちですよ、こっち」

 

必死に手招きする担当者。走り出した私は200m走。汗びっしょりの大遅刻です。

オラガ総研 株式会社 代表取締役

1959年、アメリカ生まれ。東京大学経済学部卒。ボストンコンサルティンググループを経て、三井不動産に勤務。2006年、J-REIT(不動産投資信託)の日本コマーシャル投資法人を上場。現在は、オラガ総研株式会社代表取締役としてホテルや不動産のアドバイザリーのほか、市場調査や講演活動を展開。主な著書に『空き家問題』『民泊ビジネス』『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』など多数。

著者紹介

連載不動産の動きを観察すれば、日本経済がわかる

不動産で知る日本のこれから

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牧野 知弘

祥伝社新書

極地的な上昇を示す地域がある一方で、地方の地価は下がり続けている。高倍率で瞬時に売れるマンションがある一方で、金を出さねば売れない物件もある。いったい日本はどうなっているのか。 「不動産のプロ」であり、多くの…

業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊

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牧野 知弘

祥伝社新書

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