新型コロナウイルスの感染拡大によって景気後退が叫ばれ、先行き不透明感が増すなか、日本経済はどうなるか、不動産はどう動くのかに注目が集まっている。本連載は、多くの現場に立ち会ってきた「不動産のプロ」である牧野知弘氏の著書『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)より一部を抜粋し、不動産の現状と近未来を明らかにする。

団塊世代の相続問題と生産緑地が市場に放出

しかし、どうでしょうか。今の都市郊外の農業の担い手のほとんどが高齢者です。

 

事業の承継が順調なところは少ないと考えられます。今さらお父さんの農業を引き継いで生産緑地として営農を続ける勇気のある後継者がどれほど出現するかには、疑問符をつけざるをえません。

 

 牧野知弘著『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)

牧野知弘著『業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊』(祥伝社新書)

ということは団塊世代の相続問題とあわせて、2020年代には大量の都市郊外の土地が不動産市場に放出される可能性が高い、ということになります。

 

生産緑地といっても、意外と良い場所にあります。大田区や世田谷区、練馬区などを歩くと、駅からほど近い場所に思いのほか畑が多いことに気づかされますが、これらの農地の多くが実は生産緑地なのです。

 

これらの土地が宅地やアパート、マンション用地として拠出されることは住宅を買おうと考えている消費者には朗報ですが、不動産価格はかなり下落するのではないかと危惧します。

 

もともとこれらの土地にバブルの萌芽があるわけではないのですが、今後、地価下落と不動産バブル崩壊とが一つのこととしてその存在がクローズアップされる可能性が高いと考えてよいでしょう。

 

牧野 知弘
オラガ総研 代表取締役

不動産で知る日本のこれから

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牧野 知弘

祥伝社新書

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業界だけが知っている「家・土地」バブル崩壊

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牧野 知弘

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