どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、東京メトロ千代田線とJR常磐線各駅停車の「綾瀬」。

治安の悪さで「23区中ワースト1位」を記録したが…

「綾瀬」は東京都足立区に位置する、東京メトロ千代田線とJR常磐線(各駅停車)の駅です。地下鉄駅の1日の乗降数は45万人ほど(JR線との直通人員を含む)、JR駅の1日の乗車人数は1.4万人ほどです。

 

「足立区綾瀬」と聞くと、ある一定の年齢よりも上の世代では、どうしても悪いイメージを抱きがちです。1980年代に校内暴力が社会問題化するなか、マスメディアの報道もあり、足立区をネガティブに捉える風潮が広まりました(実際に事件が横行していた事実もありますが)。そして決定的だったのが、女子高生コンクリート詰め殺人事件。あまりに凄惨な事件だったため、街のイメージにも悪影響を与えてしまったのです。

 

足立区の刑法犯認知件数(犯罪発生数)が23区中ワースト1位を記録し、治安の悪さが語られるようになりました。

 

また「綾瀬」の印象を悪くしたのが、「綾瀬川」の存在です。埼玉県桶川市付近を源流にした川で、駅西側を流れ「中川」と合流する川ですが、高度成長期には生活排水や工業排水が流入し水質が悪化。1980年から15年連続で全国の一級河川水質ランキングのワースト1位となりました。近年は水質改善がみられるものの、まだまだキレイとは言い難い状況です。

 

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しかし、最近よく話題にあがるのが足立区の治安の改善。刑法犯認知件数でいうと、どうしても人口が多いエリアのほうが順位が高くなってしまいがちで、足立区は、新宿区、江戸川区、世田谷区とともに、1万件/年を超える犯罪発生数となっています。一方で、犯罪発生数を区の居住面積で割った「犯罪発生密度」でみてみると、足立区は23区中22位。つまり、数値上は犯罪に出合う確率は低いエリアだといえるのです。

 

では実際に「綾瀬」駅周辺をみていきましょう。駅周辺は、北側と南側で少々雰囲気が異なります。北側は一部再開発によりキレイに区画がされているエリアが続き、どこか整然とした雰囲気が漂います。「東綾瀬公園」など公園も多く、良好な住環境を形成しています。一方で南側は、道が狭い箇所が随所にあります。昔ながらの商店街も軒を連ね、どこか昭和レトロ感あふれる雰囲気です。両エリアともスーパーが点在し、住みやすさを感じさせます。

 

そんな駅周辺で気になるのは、パチンコ店の数かもしれません。街の規模からすると、結構な密度でにぎやかな音が鳴り響いています。また駅東口を出た「綾瀬3丁目」あたりは飲食店が多く、風俗店が集中するエリアも。このような街の様子から、まだまだネガティブに捉える風潮があるのでしょう。

 

JR常磐線各駅停車
JR常磐線各駅停車

 

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