夢の国から遠い「浦安」住民が心配するのは、やはり洪水リスク

どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、東京メトロ東西線「浦安」駅。

意外と歴史のある駅周辺。旧市街地の雑多な印象

「浦安」駅は千葉県浦安市にある、東京メトロ東西線の駅です。快速電車が停車し、1日の乗降客数は8万人強です。

 

 

浦安市の約4分の3は1960年代以降の埋立地。「浦安」駅が開業した1969年当時は市の中心の外れにありましたが、急速に都市化が進み、いまは駅が中心となり中心市街地がつくられています。

 

「浦安といえば、あの夢の国」というイメージを持つ人も多いでしょうが、「浦安」駅は最寄り駅ではなく、バスで30分ほど。駅周辺に夢の国のイメージはまったくありません。

 

駅周辺は、意外にも歴史のある地域です。駅南口エリアにある「豊受神社」の創建は1157年、「清瀧神社」の創建は1196年と、平安時代後期〜鎌倉時代にかけて。そのほかにも歴史的な建造物が結構残っていて、散策するのも楽しいエリアです。

 

前述のとおり、埋立地のイメージが強い浦安ですが、「浦安」駅周辺は旧市街地。新しさを感じることはありません。街の発展とともに街外れにあった駅が市街地化したという歴史のため、街の中心部にありがちなランドマーク的建物も特にありません。駅の西側を縦断する大通りは開放感があり、整然とした印象を受けますが、そのほかは道幅も狭く、少々雑多な印象を受けるでしょう。雑居ビルが建ち並ぶ光景も、その印象に拍車をかけます。

 

一方で、東西線の快速停車駅らしく、駅周辺には「西友」や「ダイエー」など、お馴染みのスーパーが点在し、地元の買い物客で人通りは多めです。駅南口を中心に店舗がコンパクトに集積し、その先には閑静な住宅街が広がっています。

利便性の高い駅周辺だが、洪水リスクあり

そんな「浦安」駅周辺の家賃水準をみていきましょう。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は6.78万円、11分を超えると5.98万円となっています(図表1)

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合 会調べ(4月30日時点) ※単位は万円
[図表1]「浦安」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合
会調べ(4月30日時点)
※単位は万円

 

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円、千葉県勤務で25~29歳で24.9万円、30~34歳で29.0万円となっています(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、千葉県勤務は6.2万円、都内勤務30代前半は8.5万円、千葉県勤務は7.4万円となります。

 

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」 ※10名以上の企業対象 ※数値は所定内給与額 ※単位は万円
[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」
※10名以上の企業対象
※数値は所定内給与額
※単位は万円

 

会社員の適正家賃から見てみると、「浦安」駅周辺は20代の若手会社員でも居住を検討できるエリアです。大手ポータルサイトで検索すると、適正家賃内の物件も豊富に見つかります。ただ築年数は20〜30年ほどの物件が多く、築年数10年以下の物件は少ない印象です。築年数にこだわりのがある人は、少々物件選びに苦労するかもしれません。

 

交通の利便性をみていきましょう。「浦安」から「大手町」は、東京メトロ東西線快速利用で25分。「飯田橋」32分。「中野」から先はJR総武線各駅停車にも乗り入れ、「三鷹」まで乗り換えなしでアクセスすることができます。問題は東西線の混雑率です。200%近くと、首都圏で最も混雑する路線のひとつです。時差出勤を積極的に推奨している路線なので、早め、または遅めの出勤で混雑を避けるのが「浦安」を住まいにする際には必須といえるでしょう。

 

生活利便性はどうでしょうか。前述のとおり、駅南口には「西友」「ダイエー」、北口には「ワイズマート」があり、どれも深夜、または24時間営業。時間を気にすることなく買い物ができるのは、大きなポイントです。ドラッグストアチェーンも両出口に点在するので、駅周辺でほとんどの最寄り品を揃えることができるでしょう。

 

またファストフードやファミリーレストラン、牛丼店、定食店と、単身者でも入りやすい飲食チェーンも豊富で、外食派でも心配ありません。24時間営業の弁当店もあるので、食事で困ることはないでしょう。

 

交通、生活の利便性に長けていて、家賃水準も申し分のない「浦安」駅周辺。しかし浦安市が埋立地が大半と聞いて、自然災害を心配する人も多いでしょう。浦安市では江戸川放水路が氾濫した際のハザードマップを公表していますが、それによると「浦安」駅周辺は3〜5m、場所によっては10mほどの浸水が想定され、「避難が必要な想定地域」になっています。また大雨の際には内水による浸水も予測されています。「浦安」駅周辺で居住を検討する際には、3〜4階以上の物件を選び、万が一の際にはどこに避難すべきなのか、あらかじめシミュレーションしておくと安心です。

 

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

著者紹介

連載データから紐解く「住みやすい街」

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧