電話攻撃で…「管理会社に嫌われた」地方不動産オーナーの悲鳴

物件の周辺環境の変化、急な修繕、家賃滞納など数々のリスクが潜む不動産投資。資産形成の手段として注目が集まっているものの、事前にリアルな失敗パターンを知ることは必要不可欠です。そこで本記事では、多くの個人投資家にコンサルティングを行い、不動産投資の方法を提案する、株式会社カクセイの平山智浩氏・渡辺章好氏の共著『失敗例から学ぶ 儲かる不動産投資の極意』(幻冬舎MC)より一部を抜粋し、不動産投資の失敗例を紹介します。

管理会社に「電話攻撃」するオーナーたち

地方で管理会社に嫌われてしまった

今年の春に仙台に鉄骨マンションを買いました。10室中2室空室があるため、管理会社に客付けを行うようにお願いしました。連絡すれば「はい、承知しました」と返答をくれますが、何かしら動いてくれている気配を感じられません。住んでいるのは東京ということで、一日おきに状況確認電話を入れていたところ、「うるさいオーナー」と認識されたのか、担当者から嫌われてしまいました。

 

◆マニュアル通りはNG!

 

コミュニケーションが下手な人は、自分で管理会社に電話攻撃する傾向があります。私たちは「何件内見が来たのか?」「ホームページへの問い合わせがありましたか?」を聞くようにしましょうと推奨していますが、電話攻撃を毎週のようにやっていたら、相手に対して強烈な追い込みになります。その結果、管理会社から「しつこいオーナーさんだ」と嫌われないまでも苦手意識を持たれてしまいます。

 

忘れられてしまうよりは、負の感情でもいいからインパクトを残して、空室対策につなげる……というのが趣旨なのかもしれませんが、せっかくのご縁ですから、気持ちよくお付き合いしたいものです。

 

空室の客付けに苦戦しているということは、募集条件や入居申込者、客付け業者に対しても知恵を絞り柔軟に対応していかなければなりません。「うるさいオーナー」と認識されることで、提案や条件譲歩の相談をするのもおっくうになる人は多いと思います。よって、空室は長期化します。

 

◆地方の客付けの実態

 

地方でも不動産賃貸の仕組みは変わりませんが、東京と比べると地主の存在感が強くなります。地主の中には何百室、数十棟を一人で所有してるような方も珍しくありません。その人たちより優先して募集してもらうのは難しいでしょう。

 

そこで、足繁く通って覚えてもらう投資家もいます。中には管理会社を接待して成功している方もいますが、「決めてくれ、決めてくれ」と催促ばかりしていると、業者さんも邪険に扱うでしょう。

 

地方の小さな町だと、不動産会社がそもそも少なくて、エリアによっては地場の不動産会社の力がものすごく強く、大手が入り込む余地がない場所もあります。そういった場所ではA社で募集してもらうとB社では募集してもらえず、B社で募集してもらえればA社では募集してもらえないという状況が生まれるそうです。

 

大手業者が入ってこないので、パワーバランスが崩れる要素がなく、独特な雰囲気となっています。小さな町は、その業者に気に入られなかったら、どこも客付けしてくれないことも起こりうるのです。

 

東京であれば一社が駄目なら、簡単に別の会社に頼むことができます。もし合わなければ、どんどんと代えていくこともできます。たとえ嫌われたとしても、いくらでも代わりがあるわけです。これが地方となると、そもそも選択肢がありません。

 

ただし東京の選択肢の豊富さはメリットでもありますが、多すぎるので選択を間違える可能性もあります。大手を選べば必ず正解とならないのが賃貸経営の難しいところで、物件に合っていない会社に管理を頼んでしまうこともあります。

 

これが地方の場合、そもそも選択肢が少ないので、迷う要素は少ないです。ただし、少ない選択肢の中で業者から嫌われてしまうと、行き詰まってしまうこともあります。

 

電話攻撃した結果…
電話攻撃した結果…

「大手フランチャイズ加盟店」に安心してはいけない

◆地方投資で失敗するパターン

 

地方物件を購入したオーナーさんから、「空室が埋まらない」と相談を受けて、いろいろなやり方で調査を行いました。オーナーさんは賃貸相場とか、空室状況とか、需要がある・ないとか、そういった部分は非常に気にされてしっかり調べる方も多いと思います。

 

でも、その地域にある店舗が、仮に大手フランチャイズ加盟店でホームページもしっかりしているようなところだとしても、従業員数を見てみたら、店舗には5人くらいしかいないということがあります。

 

一方で、その店舗が抱えている空室の数がどれくらいかというと、500件を超えていたりします。不動産業者である私たちは「これだけの空室を5人で埋めていくのに、いったい何日かかるんだろうな」と思いました。

 

彼らも売り上げが必要ですから、決めやすい物件から着手します。仮に空室物件の半分が新築だったら、決まりやすい新築を優先することでしょう。そもそも中古にこだわる理由は彼らにはないのです。その店舗がどうやって利益をあげているか想像すると「ああ、ここは地主さんの新築で潤っている店舗だな」といった予想が立ちます。

 

そうなると、その地域で中古物件を買った場合、客付けでの苦戦が予想されます。どんなに通いつめて菓子折りを持参して「客付けをお願いします」と営業しても、彼らにとっては儲からない以上、動きにくいというケースがあります。

 

そのエリアにどういう入居者がいて、その入居者をどの不動産会社が集めているのかを想像するのは重要です。そこに工場、会社、病院といった職場があれば、マーケットは存在します。あとはきちんとした管理会社があるかどうかです。

 

「きちんとした管理会社があるから、この場所にこういう物件を買っても大丈夫だろう」、この順番で物件購入は検討すべきです。物件を買ってから管理会社を探していると、一か八かではないですが、不確定要素があるので、賃貸経営が失敗する確率も上がります。

 

せっかくいい管理会社を見つけても、オーナーさんの経験不足から、間違えた業者対応してしまうと、業者も非協力的になります。それが長引けば物件運営に苦戦しますし、ほかの管理会社を探そうにも代わりが見つからないこともあります。

株式会社カクセイ 代表取締役 宅地建物取引士・CPM®(米国公認不動産経営管理士)MPSA合格者

東京都出身。レーサムリサーチ(現社名レーサム)にて富裕層に対する収益不動産のコンサル営業に従事。他に買取再販事業の不動産会社での収益不動産仕入業務、人材コンサル会社での不動産.建設業界のヘッドハンティング業務を経験するなどして培った幅広い人脈を活かし、投資家の要望に応える投資提案を得意としている。

著者紹介

株式会社カクセイ マネージングディレクター・COO 宅地建物取引士・公認 動産コンサルティングマスター・相続対策専門士・CPM®

不動産コンサルティング会社でワンルームから一棟アパート・マンションの売買・管理業務を経験、2013年からは講師としても活動し、年間200名超の投資家と面談して得た体験をもとに不動産投資の失敗事例から学ぶセミナーを開催、本作に寄稿する。

著者紹介

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