本記事は、大長伸吉氏、丸茂雄二氏の共著『クズ土地から1億円の家賃をたたき出す、本当の「儲かる家」』(ぱる出版)から一部を抜粋し、「ワケありの土地を購入し、賃貸併用物件を活用した不動産投資で収益を上げる方法」を見ていきます。今回は、収益物件を目的とした不動産の購入で「旗竿形状地(不整型地)」をおススメする理由等について見ていきます。

都心で駅から「徒歩10分以内」の土地を探すべき理由

例えばあなたが家や部屋を借りるとき、どういった条件でその家を選びますか?

 

家賃? 間取り? それとも駅からの距離でしょうか?

 

とくに最寄駅から近い物件は、部屋を探す際の検索条件として上位に入るので圧倒的に有利です。事実、賃貸の入居者は駅から徒歩10分を超えると利便性に不満を感じてしまいます。いくら入居者のニーズに合った良い間取りの物件を建てたとしても、駅から10分以上かかる物件は内見の数も極端に減り、空室率が高くなるのです。

 

もちろん空室率が高くなれば収益も出なくなります。だからこそ、東京都内でも地方の主要都市でも駅から10分以内の土地を探すべきなのです。

 

昔から土地を持ってない人が、いくら安いとはいえ、わざわざ駅から徒歩10分以上の場所に土地を買い、アパートを建てるのは自分で自分の首を絞めているのと同じです。また、駅から徒歩10分以内の地域には、収益を見込めるクズ土地がけっこう存在します。そのチャンスを狙っていくために、前回で説明した毎日5分のインターネット検索を継続していくべきです(関連記事『安く買ってボロ儲け!? 「相場より安い土地」の簡単な見つけ方』参照)。

 

ちなみに不動産業界では、徒歩の換算は1分で80メートルと決まっています。徒歩10分ということは、駅から半径800メートルということになります。だいたい、駅から10分以内の土地は商店街などがあって夜でも人通りがあり、帰り道も安心です。

 

ただ10分を超えるにつれ、だんだんと人気(ひとけ)がなくなっていきます。防犯率を考えても、入居者は徒歩10分以内の物件を選ぶのです。東京都心の約8割の地域では、駅から10分以内で最寄駅に行けるので、徒歩10分以上という物件はやはり検索外となってしまいます。

 

また地方では、徒歩10分を超える物件には駐車場付きの物件も多くなり、その地域の地主さんが、代々土地を受け継いでいるので、土地取得の費用がかからず、建物代だけでアパートが建てられることから家賃相場が極端に安くなります。

 

家賃が安い地域で土地を買って勝負しようとしても、その結果は目に見えています。収益性を考えるなら、やはり都心で駅から徒歩10分以内の土地を探すべきなのです。

「南側に道路がある土地が良い」とされているが…

毎日、5分のインターネット検索で、あなたが100坪の土地を見つけたら、これはチャンスです。すかさず、不動産業者に「その土地を分割して買いたい」と申し出てください。

 

その際に「奥まった旗竿形状地(不整型地)をください」と言いましょう。なぜ、チャンスなのかというと、奥まった旗竿形状地(不整型地)は、奥まっているという理由から路線価価格(※1)で公的にも固定資産税評価額が3割下がります。場合によっては、半値でその土地が買えることもあります。だからこそお得なのです。

 

不動産屋からすると、奥の不整型な土地こそ売りにくいので、その土地を買うということは、不動産屋にとっても渡りに船です。不動産屋と話すときに勘違いしてほしくないのは〝いい土地〟というのは〝不動産屋にとっていい土地〟なのです。不動産屋が指すいい土地というのは、整型地で、南向き、道路にも7メートル以上接道している土地なのですが、価格も固定資産税も高くなります。

 

逆に買う側からみた〝良い土地〟は駅から近くて、敷地が広く、固定資産税も低いという部分が重要なのです。だからこそ奥まった不整型地で固定資産税を下げるのが狙いのひとつでもあるのです。

 

敷地が広いことで賃貸にする部屋の面積が増やせます。奥まっている土地は道路から離れていて道路斜線(※2)にもかからないので、地上から高さのある3階建てなどの建物が広く建てられるのです。

 

実は、日当たりを考えて南側に道路がある土地が良いと思われていますが、本来は北向きに道路があるほうが良いのです。なぜなら、家を建てるときに適用される斜線には道路斜線と北側斜線(※3)の二つがありますが、北側に道路がある場合、斜線が道路斜線だけか北側斜線どちらかひとつの制約で済むからです。

 

南向きの土地は日当たりこそ良いですが、日が入りすぎるので家の中の家具やクロスなどが日焼けしたり傷んでしまいます。だから欧米では逆に北側に向けて家を建てたり、北向きの物件のほうが家賃が高いのです。もし、そういった奥まった土地を買う場合は、同時に我々のような設計チームとコンサルタントに相談したほうが無難です。なぜなら、一種低層住居などの条件で北側斜線に厳しい地域もあり、高い建物が建てられない場合があるからです。

 

なぜ、奥まった旗竿形状地が安いのかを具体的に説明すると、接道が2メートルしかない土地は、車は入れますが車のドアが開かないので駐車場として機能しません。よって車を持っている人は買わない土地だからです。

 

要するに、一般の住宅を建てようとする人たちにニーズのない土地なのです。だからこそアパート用地になるのですが、奥まった土地は日本では評判も悪く、評価が低いので価格が安くなるのです。

 

例えば、奥まった旗竿形状地が売りに出されていたとして、付近の相場価格でも4000万円ぐらいと計算すると、旗竿形状地というだけでだいたい500万円ぐらいは値引きできます。

 

また、さきほどのように固定資産税もそういった土地は30%減額されるので、それを長きにわたって享受すれば、20年後、30年後には2000万円以上は得したことになるのです。

 

それだけ広い敷地を購入できれば延べ床面積も増えるので、家賃収入が増えます。そうすれば収益率も上がるというわけです。

 

皆さんも常識だと思っていた不動産の知識に騙されないように気をつけてください。

 

※1●路線価

=路線価は、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格のことであり、路線価が定められている地域の土地等を評価する場合に用いる。

 

※2●北側斜線

=敷地の北側隣接地の日照を確保するためのもので、北側隣接地境界線に面した建物の高さが、法令で定めた傾斜勾配の線を越えてはならないとのルールのこと。

 

※3●道路斜線

=道路の日照や採光、通風に支障をきたさないように、また周辺に圧迫感を与えないように、建築物の高さを規制したルールのこと。前面道路の反対側の境界線から、一定の勾配で記された線(=道路斜線)の範囲内に建築物を建てなくてはならない。道路斜線は「用途地域」「容積率」「道路の幅」などで「適用距離」と「適用角度」が変わり、建物の高さと位置が決まる。

クズ土地から1億円の家賃をたたき出す、本当の「儲かる家」

クズ土地から1億円の家賃をたたき出す、本当の「儲かる家」

大長 伸吉 丸茂 雄二

ぱる出版

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