なぜその土地が売りに出たのか?
不動産は大きな買い物です。したがって少しでも安くなれば…と思うのは当然のことです。
基本的に不動産に関する事柄すべてに価格交渉のチャンスがあります。もちろん、買う側から値下げを持ち掛けないと、価格交渉する機会すら逃すことになるのは当然です。
不動産屋や土地の売主は、少しでもその土地を高く売りたいと思っているからです。だからこそ、あらゆる機会において交渉をするべきです。先方から値下げを断られることもあるでしょう。しかし、値下げに応じてくれることも当然あるので、価格交渉は確実に持ち掛けておくべきです。
ここで間違えてほしくないのが、効果的に交渉できるのは不整型地だけということです。整型地が安くなることは稀ですが、不整型地は安くなるかもしれないということです。不整型地だから、建築コストがかかるので、その分安くしてくれないか…と交渉する理由があることが大事なのです。
もちろん価格交渉をする、大前提としてその土地の価格を熟知しておくことが大事です。なぜなら、その土地がどうやってその金額になったのかを知らないと、値下げ交渉のしようがないからです。
次になぜその土地が売りに出たかの理由を聞くことも重要です。
例えば、オーナーがその土地をいつもまでに売りたいなど期限がある場合などは、値下げ交渉の余地があるかもしれません。そういった相手の状況を見極めるのもポイントです。
そして、どれぐらい安く購入できれば値引き交渉は成功かという指針ですが、その土地の価格の1割安くなれば、交渉は大成功といえるでしょう。交渉するときは価格の10%引きから初めて、最終的には5%引きを目標に粘り強く、交渉してみましょう。
もちろん、ただ安くしてくれというのは通用しません。値下げ交渉のテクニックとして使いたいのは先ほども触れたその土地の〝デメリット〟を〝値下げ理由〟にするということです。
例えば、その土地はがけ地だから、整地するのに建築コストがかさむとか、旗状敷地だから2トントラックが入りにくく、土や資材が手運びになるのでその費用が掛かるとか、その土地に建物が建っているのであれば解体に費用が掛かるなど、理由はその土地によって生まれてくると思います。
交渉の際には、信頼できる不動産コンサルと一緒にあれこれ理由を考えたほうがいいかもしれません。
とにかく、不動産屋の提示額でそのまま購入するのはナンセンスなのです。
登記簿謄本で「過去の売買価格」を調べる意義とは?
法務局には不動産登記簿謄本が保存されており、誰が所有しているのかなどの情報を確認することができます。
その土地にまったく関係のない第三者でも、法務局で登記簿謄本の交付申請書を提出さえすれば、登記事項証明書を発行してもらえます。また、土地を売りに出している不動産屋にお願いすれば、登記簿謄本を確認することができる場合もあります。
土地価格を調べるときに、なぜ、不動産登記簿謄本の確認が必要なのか?
その理由は、謄本にはその土地を誰が所有しているか、そして権利者は個人なのか法人なのかが書いてあるからです。そして、どのぐらいの築年数か、何平米のどういった建物が建っているかなどの情報が書いてあり、あなたが賃貸併用物件を建てる際、どれぐらいの広さの建物が建てられるかが想定できるという理由もあります。
ここで本当の意味で確認すべきは、その土地が抵当権に入れられているかどうかという部分です。その土地が抵当権に入れられている場合には、その旨が記載されてあります。誰がどの保証会社にどれぐらいの金額を借りているのかも事細かに書かれているので、その抵当権の金額によってその土地がいくらなのかを想定することができるのです。
共同担保の問題もありますが、抵当権がいくらで設定されているかによって当時いくらで買ったかが想定できます。その謄本から色々な情報を読み取れば、不動産屋で価格交渉する際にも、どれぐらいの値引きができるかといった交渉を自分主導で行うことができます。
また場合によっては、その土地が相続されたもので相続人が分割するので、早く現金化したいなどの情報も、不動産屋から引き出せるかもしれません。
そういった情報を得ておけば、価格交渉が有利に進められるのです。あなたが土地を買う際には、その土地の登記簿謄本を確認しておくのが賢明です。