本記事は、大長伸吉氏、丸茂雄二氏の共著『クズ土地から1億円の家賃をたたき出す、本当の「儲かる家」』(ぱる出版)から一部を抜粋し、「ワケありの土地を購入し、賃貸併用物件を活用した不動産投資で収益を上げる方法」を見ていきます。今回は、理想的な賃貸併用物件のつくり方等ついて見ていきます。

収益物件はあらゆる面で「最適化」を図るべきだが…

憧れのマイホーム(戸建て)を建てた人と、頑張って賃貸併用住宅を建てた人、20年後快適な生活を送っているのはどちらでしょうか?

 

例えば、子供が使うと想定して作った部屋。これは子供が進学や結婚などで巣立って行ったら、荷物を置くだけの無駄な部屋になるだけです。

 

賃貸併用住宅なら収益がローンを返済してくれて、ローンが完済した後も不労収益を生み出してくれます。子供が巣立ったら、自分たちの住む場所も賃貸にして、自分たちは生活のしやすい場所に移り住めばいいわけです。もちろん家賃収入で老後の生活も安定します。

 

戸建てを建てた人と賃貸併用住宅を建てた人、どちらが快適な生活を送れているかは、一目瞭然です。そして、賃貸併用物件を建てたオーナーは20年後、どういった生活をしているでしょうか?

 

あるオーナーは、収益性のある物件だったため、他にも賃貸併用物件を数棟所有し、文字どおり、不労所得を得ながら悠々自適に過ごしているはずです。

 

ただ、間違った賃貸併用物件を建ててしまうと収益性はそこそこあるけど、税金や管理費を払ったら、収益がほぼ相殺されて手元にキャッシュが残りません。いつかはやってくる物件の修繕やメンテナンスに資金がまわせず、困り果てたオーナーになってしまう可能性もあります。

 

そういったオーナーにならないためにはどうしたらよいのでしょう。

 

やはり、あらゆる面で〝最適化〟を図るべきなのです。

 

ここで言いたいのは、コストをかけないことが〝最適化〟ではありません。コストをかけずに長持ちしない物件を作ってしまうと、修繕やメンテナンスで結局、自己資金を減らしてしまいます。

 

例えば、100円ショップのボールペンを毎回買うよりも、モンブランのボールペンを買ったほうが、長期で見てコストパフォーマンスが高い場合もあるわけです。

 

もちろん、コストをかけすぎてもいけません。建築コストがかさんで家賃収入からもキャッシュが残らず、貯蓄が増えないのでは元も子もありません。

 

すべてにおいてちょうどよいバランスの〝最適化〟をすることが大事なのです。

うまく「オーナーのイメージ」を業者に伝える方法

結局、賃貸物件を所有して家賃収入を得るのは、経営と一緒です。もちろん、経営初心者でも始め易いのが、不動産賃貸経営です。よくテレビなどで〝こうすれば儲かる〟とか声高に宣伝するものもありますが、経営はそんなに簡単なものじゃありません。

 

儲かる経営には決まったルールはなく、試行錯誤でいかに〝最適化〟できるかが重要なのです。賃貸経営も、建てた場所と家賃相場という条件により、全部違ってきます。これをこうすれば、あれをやっておけば収益性があがる、という王道はありません。マーケティングに長けた、経験則のある不動産コンサルや実績のある工務店とともに力を合わせて初めて成功への道が開けるのです。

 

ただの戸建てのように、負債しか生みださないものを建てるよりは、賃貸併用物件を建てるほうが、20年後に後悔しません。どちらが最良の選択なのかを見極めれば、後々自分に〝良いこと〟が返ってくるのです。

 

賃貸併用物件を建てるのはオーナーであるあなたです。そこにオーナーの〝意思〟が入ることで、他にはない個性的な賃貸物件ができます。

 

自分のイメージや考えを具体的に伝えることで、設計を手掛ける施工会社や工務店も青写真が浮かびやすくなります。どんなに優秀な建築士や設計士も、言葉で伝えるだけでは10~20%ほどの伝わらない部分がでてきます。

 

うまくイメージを伝える方法として、自分の理想とする部屋の外観や内観の画像を集めておいて後で見せたり、気に入った建物を切り抜いてスクラップブックを作って見せる方法があります。

 

そうすれば、建築士との打ち合わせもスムーズにいくし、お互いの意思疎通がとりやすくなります。一番いけないのは、その建物や内装が完成してから「こういう感じじゃなかった」と後悔することです。そういったクレームやトラブルを起こさないためにも、自分のイメージを具体的に伝えることが大事なのです。

 

経験から行くと、自分の作りたい建物のイメージがしっかりと頭の中にある人とは、打ち合わせの回数は少なくて済みます。反対に、やりたいことが決まってない人だと、どういった仕様にしていいのかわからず、打ち合わせの回数だけが増えていきます。

 

だからこそ、賃貸併用物件を建てるオーナー側も建築士や設計士にすべて委ねるなど、人任せにしないで、自分の考えを伝えてほしいのです。

 

自分の考えを伝えるにはある程度のビジョンが必要です。オーナー側もどんな内装にすれば、入居者が喜ぶか、どんな仕様にすれば万人受けするのかを、勉強すべきです。

 

大事なのは、オーナーと建築士、施工会社がチームとなることです。

 

〝同じ船に乗って、同じ方向を見る〟ということを肝に銘じて、チームとして協力し合えば、必ず、良い物件ができます。後々の「思っていたものと違う」というトラブルやクレームを回避することができるのです。

 

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