今後の賃貸は「1LDKの間取り」が主流になるワケ
実際に、賃貸物件を建てるとき、悩むのが各部屋の間取りをどのように設定するかです。
その建物のスペースを最大に生かせる設計をする大前提で、結論からいうと各部屋の間取りは「1LDK」がおすすめです。
ズバリ「1LDK」にはさまざまな可能性があります。例えば、家賃を12万円に想定したとすると、家賃は毎月の給料の3分の1と考えるのが普通なので、単身者で1LDKを望む入居者は、ある程度所得に余裕がある人が多いでしょう。所得に余裕がある人は家賃滞納といったトラブルが起きにくいともいえます。
また、二人暮らしを可能にしておくのもひとつの方法です。1LDKなら12万円の家賃を折半して、二人で暮らすという方法も可能なので、さまざまなニーズに対応できます。
人間のサイズはアジアをみれば日本人と変わりはありませんが、中国でさえも70平米の家にひと家族が住むということが考えられなくなっています。上海や北京などでは、100〜150平米にひと家族が住むという傾向が多いのだそうです。もちろん、欧米もファミリーで住むのであれば、当然広いスペースが確保できる家を探すでしょう。
とにかく日本だけが異常な状態なのです。今後、日本における20平米前後のワンルームは、どんどん廃れて、家賃が下がっていくはずです。現在は少子化で大学も経営が危うい時代です。人口が減少していく現状では、ワンルームを借りる学生も減っていくという未来予想図も描けるでしょう。
これから、10年後、20年後にはワンルームは、低所得者層が住む物件になっていくと思われます。そういった入居者では家賃滞納などのトラブルも起きかねません。
本来、ひとりの人間が住みたいと思うのは、リビングとひとつ寝室がある部屋、すなわち1LDKの間取りです。今後はそれが主流になっていくでしょう。
入居者は不動産屋で部屋を探すとき、自分の予算内の家賃で探すわけですが、不動産屋で紹介される物件は、ほぼ大手ハウスメーカーや大手の工務店が手掛けたもので、どれも変り映えしないのです。
大手では作れない物件にし、それを見ていただくと「あっ、ちょっと違うな」と思うわけです。人間は普段過ごす場所、寝る場所というように生活するスペースを分けたい生き物です。その本能をワンルームのスペースに押し込むこと自体が異常なのです。
もちろん、1LDKは特徴のある間取りなので、ワンルームに比べて高い家賃を設定できることから収益性を確保できます。
あなたは自分の賃貸物件でワンルーム、1LDKのどちらを選びますか?
ロフト作りに「慣れている」施工会社にオーダーする
ここでは「どうすれば、入居者の絶えない魅力的な部屋が作れるのか?」について一緒に考えていきます。
まずはロフトを作ることを考えてみてください。ロフトは建築基準法で延べ床面積に対し、2分の1の面積だけ作ることができると定められています。
某アパートメーカーの物件で多いのが、寝るだけのスペースにハシゴで登るタイプのロフトを想像するかと思います。それでは正直使わなくなるのがオチです。ですので、ロフトは〝使える〟ロフトを想定して作ります。
ハシゴを特注して階段状のデザインに作り替えたり、スペースを限りなく広くして、寝るだけや荷物を置くだけじゃないロフトを作るのです。そうすることで、例えば世田谷区で8万円だった部屋が、ロフト付きで12万円という家賃相場の1.5倍で貸し出すことができるのです。
12万円の家賃をひとり6万円で折半すれば、二人で住んでもお得です。また、ロフトのいいところは、基本的に建築面積に入ってこないところです。だから通常の部屋よりもスペースを有効活用できます。
またロフトを作るには天井を高くする必要があるので、天井を高くすると吹き抜けのスペースが広くなるというメリットもあります。
もちろん、ロフトは一般の業者では容易に作れません。天井を高くしなければいけないので、北側斜線という建築ルールに則ると、物件を南向きに作るしかないので、そのスペースを最大限に生かす設計のパワーも必要になってきます。また、室内でも足場を設置する必要もあります。もちろん建築コストもかかるので、慣れていない施工会社にオーダーするのは賢い選択ではありません。
物件にロフトを作る際も実績のある工務店や施工業者を見極めるという作業が必要となります。
ロフトの構造をわかっていて作り慣れている工務店や業者であれば、建築コストもおさえることができます。信頼できる業者に頼めば、ロフトを作るだけで約1.5倍の家賃収益が見込めます。
ちょっとした工夫が、収益を大きく左右することを常に考えておくのがポイントなのです。