※本連載では、株式会社吉寿屋相談役・神吉武司氏の著書、『社員の能力を劇的に伸ばす すごいご褒美 』(幻冬舎MC)から一部を抜粋し、社長が贈る「ご褒美」によって社員のやる気を引き出し、企業の生産性を高める方法を紹介しています。

お父さんやお母さんに向けた感謝のメッセージ

【事例】 親孝行幸せセット

 

創業記念日を迎える6月には、「親孝行幸せセット」と名づけたお菓子の詰め合わせを全員に渡しています。ただしこれをもらうには条件があります。「お父さんやお母さんに向けた感謝のメッセージ」を書くことです。

 

心では親に感謝をしていても、その気持ちを面と向かって伝えるのはなかなか難しいものです。まして同居していれば親が元気でいてくれることが当たり前となり、何か特別なきっかけでもなければ感謝を直接伝えたり、手紙に書いたりする機会はないでしょう。ならばお菓子の詰め合わせを受け取る条件にすればいいのではと考えたのです。

 

手紙は指定の用紙を使います。その用紙の一行目には「私は今が一番幸せです」と書いてあります。社員はその一文に続ける形で、親への感謝を綴っていくのです。

 

現在、地球の人口は75億人を超えています。その75億の人たちには、父親と母親が同じ数だけいます。その合計150億人の親の願いは「わが子の幸せ」──この一点で共通しているはずです。この地球は、親の子を思うエネルギーで満たされているといっても過言ではないでしょう。

 

その親が最も幸せに思うことは何かといえば、子どもが〝今〟幸せでいてくれることです。だから自分が今幸せでいることは親孝行そのものなのです。

 

過去を悔やんでいる人もいれば、未来を心配している人もいるかもしれません。しかしあるお寺の住職は、過去の思考に振り回されるのは「持ち越し苦労」、まだやってきていない未来を心配するのは「取り越し苦労」と呼び、大切なのは「今を生きること」だと説きます。私もそう思います。

 

私たちが生きているのは「今」です。だから人生で一番大事な日は、昨日でも明日でもなく、「今日」です。「今この瞬間」が一番幸せであることを、年に一度くらいは手紙を通じて親に伝えてあげてほしい──そんな願いを込めて「親孝行幸せセット」を続けてきました。

 

以来、両親にメッセージを書いた社員から幸せの報告を何度ももらってきました。なかでも嬉しかったのは、子どもからもらった手紙を宝物のように大切にしている両親の様子です。「私が渡した手紙を仏さんに供えていました」と教えてくれた社員もいました。子どもからもらった手紙を仏壇に供える姿を想像すると、涙が出てきます。親にとって子どもの幸せは、それほど大きいということです。

社員の能力を劇的に伸ばす すごいご褒美

社員の能力を劇的に伸ばす すごいご褒美

神吉 武司

幻冬舎メディアコンサルティング

じゃんけん大会で「世界一周旅行」、無遅刻・無欠勤のパート社員に「1000万円表彰」、売上ナンバーワンの営業社員に「高級車」、規格外の報酬で社員の「やる気」を引き出せ!お菓子の卸売・小売で利益率全国トップクラス、54年…

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