元旦に届いた、あまりにも率直なメッセージ
「最初は、ちょっとした愚痴だと思っていました。でも、読み返すうちに、これは本気なんだと気づいて……」
そう語るのは、都内で一人暮らしをする佐藤美月さん(仮名・38歳)です。大手企業で広報職として働く美月さんのもとに、今年の元旦、実家で暮らす母・和子さん(66歳)からLINEが届きました。
〈あけましておめでとう。ところで、今月から毎月13万円、仕送りしてもらえないかな〉
あまりに具体的な金額に、美月さんは思わず戸惑い、「どういうこと?」と返信しました。すると、すぐに返ってきたのが次の言葉でした。
〈大学まで出してやったんだから。それくらい当然でしょ。こっちは年金が月6万円しかないのよ〉
和子さんは地方の団地で一人暮らしをしています。収入は国民年金のみで、生活に余裕があるとは言えません。ただ、それまで親子関係が悪かったわけではなく、美月さんも「母は母なりに頑張っている」と感じていました。
しかし、今回のLINEは、これまで胸の奥に引っかかっていた違和感を一気に表に引きずり出したと言います。
「去年、帰省したときに『将来の介護は全部よろしくね』と笑いながら言われたことがありました。その場では冗談だと思って流しましたが、どこか引っかかるものが残っていました」
美月さんは一人っ子で、父は数年前に他界しています。母にとって頼れる存在が娘しかいないことは理解していましたが、その依存は少しずつ重みを増していきました。
「最初は『足りない月だけ少し助けてほしい』という話だったんです。でも、次第に光熱費や携帯代、歯の治療費まで、すべてを支えてほしいという流れになっていきました」
月13万円という金額は、和子さんの生活費の大半を占めます。それは、美月さんが“母の生活そのもの”を支えることを意味していました。
